スイス・バーゼルで開催された「Baselworld 2017」に、スウェーデン発の新ブランド「Kronaby」が出展していました。注目すべきは、元ソニーモバイルの開発者が立ち上げた新ブランドであるという点です。
元ソニーモバイルの開発者が新会社を設立
Kronabyブランドを展開するのは、スウェーデンのマルメーを本拠地とするAnimaというベンチャー企業。中国企業の資本をベースに、2017年4月からKronabyブランドのコネクテッドウォッチを展開しようとしています。
Kronabyの中心となっているのは、25~30人の元ソニーモバイル従業員とのこと。彼らはスウェーデンで「SmartWatch 3」の開発を手がけていたものの、ソニーの方針転換により、新会社の設立に至ったようです。
この話を聞いてちょっと心配になったのは、ソニーモバイルのSmartWatchシリーズは今後どうなってしまうのか、という点ですが、ソニーモバイル側は事業として継続していくと説明しています。
ハイブリッド型でスマホアプリと連携
ソニーモバイルのSmartWatchシリーズは、文字盤全体をディスプレーとしたスマートウォッチでした。これに対してKronabyは、最近増えているクォーツ時計にスマート機能を追加したハイブリッド型を採用。Bluetooth 4.1(BLE)でiPhoneまたはAndroidスマホと連携します。
ハイブリッド型を採用した理由としてKronabyの担当者は、「スマートフォンのように画面を見過ぎてしまうのが問題だ」と説明しています。
Kronabyのアプリでは、バイブレーションを3種類から選べるようになっており、通知の重要性に応じて使い分けることを狙っています。腕時計は常に身に付けるものであり、重要性の低い通知にいちいち割り込まれたくない、というコンセプトです。
側面にはボタンとクラウンを備えており、「カメラのリモートシャッター」「電話を探す」「音楽再生」「着信時の通話拒否」といった機能にも対応。スマートウォッチで問題になりがちなバッテリーについても、ボタン電池(CR3032)で最大2年動作するため、毎日充電する必要がないのもポイントです。
日本にも2017年秋に上陸へ
2017年1月に発表した最初のコレクションは、「APEX」「SEKEL」「NORD」「CARAT」の4シリーズ。いずれも北欧発のデザインコンセプトを採用しており、スカンジナビアデザインが好きな人にはたまらないラインアップです
スマート機能についてはどのモデルも共通で、本体サイズやバンドの種類によって価格が異なります。サイズは43mmと38mmの2種類、価格帯は345ユーロから595ユーロに設定されています。
2017年4月時点の発売地域は、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ドイツ、フランス、スペイン、英国と欧州市場がターゲットです。
しかし2017年秋には、日本にも上陸する計画があるとのこと。ブースで話を聞かせてくれたKronabyの担当者は、品川のソニー本社でも働いた経験があり、日本食も大好きだそうです。日本でも北欧デザインの時計は人気が高いだけに、Kronabyと日本はかなり相性の良い組み合わせになりそうです。
この連載の記事
-
第19回
ウェアラブル
TISSOT、デザインを一新したタッチ&ソーラーウオッチ「T-Touch Expert Solar II」 -
第18回
デジタル
完売モデルの新作、シチズン光発電エコ・ドライブのBluetoothスマートウオッチ -
第17回
ウェアラブル
超オシャレな女性用スマートウォッチがスイスブランドのフレデリック・コンスタントから -
第16回
ウェアラブル
セイコー アストロン、航空工学の目盛り付きGPSソーラー「ホンダジェット」記念モデル -
第15回
デジタル
シチズン、漆黒の宇宙をイメージし4.8等星以上の恒星1027個の星をレイアウトした「カンパノラ コスモサイン」 -
第14回
ウェアラブル
カレンダーの透かし彫りにため息、タグ・ホイヤー「カレラ キャリバー ホイヤー 01 クロノグラフ」 -
第13回
ウェアラブル
TISSOT、ツール・ド・フランス・スペシャルエディションウオッチを発表 -
第12回
ウェアラブル
「セイコー特殊時計開発の原点」復刻ダイバーズウォッチが世界限定2000本で登場 -
第11回
ウェアラブル
激厚シチズンの世界初、光発電1000m飽和潜水用ダイバーズウォッチがカッコイイ -
第10回
ウェアラブル
世界一影響力のある時計の見本市「バーゼルワールド2017」を360度動画でチェッキラ -
第9回
デジタル
いくぜ300モデル! フォッシルがスマートウォッチに強気な理由 - この連載の一覧へ