さまざまな場所で使用することを前提としたタブレットPC。家の中でも、たとえばキッチンでレシピを表示させながらの使用や、入浴中に使うといったニーズもあるだろう。また、持ち運ぶということは、うっかり落としてしまうこともあるし、衝撃に強いに越したことはない。今回紹介する富士通の「arrows Tab WQ2/B1」は水ぬれやホコリに強い防水・防塵設計で、落下などの衝撃にも強い堅牢な筐体のタブレットPCだ。
「arrows Tab WQ2/B1」は富士通WEB MARTでのみ販売されている限定モデルで、クーポンを適用すると最小構成は8万円台で購入できる。本機では拡張クレードルや軽量スリムキーボードといったオプションを追加できるが、どちらを選択したとしても9万円台と、10万円を切る価格で購入できる。
今回は拡張クレードルを選択してみた「arrows Tab WQ2/B1」について、外観などについて検証してみた。
しっかりとした重みを持つ「arrows Tab WQ2/B1」
「arrows Tab WQ2/B1」は縦264mm、横169.7mmと、ほぼB5サイズ。厚みは11.8mmあり、薄いという印象はあまりなく、持った感じ頼りなく感じることはない。液晶は10.1型で、ノートPCに比べれば小さく感じるが、1920×1200の解像度を持ち、フルHD対応となっている。
大きさとしてはカバンにすっと入れられるサイズではあるが、重量は635gあり、持った感じはしっかりとした重みを感じる。軽量スリムキーボードを使う場合には999gとなるが1kgに満たない。拡張クレードルの場合には1305gとなるが、周辺機器と組み合わせて使うことが前提の拡張クレードルは持ち運ぶというよりも据え置いて使うことが多いと思われるので、それほど問題はないだろう。
ディスプレーはノングレアで、外部の光の反射はほとんど気にならない。その分、発色はしっとりとした色合いとなっており、とても目にやさしい印象だ。また、指紋などの表面汚れも残らないので、タブレットPCやスマホのように画面の汚れが気になるということもない。さらにブルーライトカット機能を搭載し、約30%のブルーライトをカットする、目にやさしい液晶となっている。
また、本機には専用のスタライスペンが付属しているので、それを使えば直接指で操作するということもない。このスタイラスペンは電源ボタン横に収納できるようになっており、忘れたりなくしたりということも少ないだろう。
スタライスペンの長さは本体に収納できるにも関わらず、それほど短いという印象は受けなかった。また、マウスの右クリックに相当するボタンもちょうどいい位置にある。しかし、ボタン自体は少々固い感じだ。
上記の写真でもわかるように、本体の背面四隅に滑りにくい素材が使われており、机の上に置いた場合、本体が動くことがないのでしっかりと安定して使うことができる。この滑りにくい素材は、机やテーブルの上から滑り落ちるということが少なくなるための仕様でもある。
万が一落下した場合も、縁を広く取っているため、ガラスまでの距離があり、液晶画面が割れにくいようになっている。さすがにお借りした機材で落下実験はできないが、メーカー側で76cmの落下試験や振動試験、全面加圧試験、一点加圧試験などを行ない、堅牢性を実現しているとのこと。厚みもあるせいか、堅牢設計という点はかなり説得力があった。
「arrows Tab WQ2/B1」は防水となっていて、水廻りのある場所で使うことも可能だ。その分、端子などはフタがついていて、水が中に入り込まないようになっている。フタ自体は指先で着脱でき、本体から外れないように作られている。
端子は左側面にヘッドホン端子、USB 3.0ポート1基、microHDMI出力端子、microSDメモリーカードスロットが搭載されている。microHDMIで、テレビやモニターなどの大きな画面に表示させることも可能だ。
右側面にはUSB 2.0ポート1基と音量や電源ボタン、付属のスタイラスペンのホルダーが配置されている。
また、据え置きで使うことを想定した拡張クレードルにはUSB 3.0ポートが3基、有線LANポート、HDMI出力端子、外部ディスプレーコネクター、マイク端子、ヘッドホン端子があり、大容量のHDDなどの周辺機器を接続すれば、通常は据え置き、必要なときだけクレードルから外して使うといった形で、活用法も広がるだろう。
ちなみに本機のストレージは標準で64GBのフラッシュメモリーが搭載されており、オプションとして128GBフラッシュメモリーも用意されている。
オプションのキーボードはスリムキーボードと軽量スリムキーボード、ワイヤレスキーボードの3種類が用意されている。スリムキーボードと軽量スリムキーボードは本機に差して使う形となるため、拡張クレードルと併用することはできない。拡張クレードルを使う場合には、Bluetoothのキーボードであるワイヤレスキーボードを使うといいだろう。
「arrows Tab WQ2/B1」の基本構成は次の通りだ。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | arrows Tab WQ2/B1 |
CPU | インテル Atom x5-Z8550(1.44GHz、最大2.4GHz) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 400 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
ディスプレー | 10.1型ワイド(1920×1200ドット) |
通信規格 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB 3.0端子、USB 2.0端子、microHDMI出力端子、ヘッドフォン/ヘッドセット兼用端子、microSDカードスロット |
センサー | 加速度センサー、地磁気センサー、照度センサー、ジャイロセンサー |
内蔵カメラ | 約200万画素(フロント)、約800万画素(リア) |
サイズ/重量 | およそ幅264×奥行き169.7×高さ11.8mm/約635g |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
次回は、タブレットとしての使い勝手など、本体の使用感について解説する。