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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第498回

最新ミラーレスのマニュアルフォーカスは便利! 隠れている猫を撮る

2017年03月03日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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自転車の奥に隠れた猫をマニュアルフォーカスで!

 自転車屋さんの店頭で猫を見つけたので撮ろうとしたら、自転車の奥に隠れちゃったのだ。猫の前には自転車が2台。

 肉眼でははっきりみえるけど、これ、オートフォーカスで撮ると普通は手前の自転車にピントが合っちゃう。

 でもびっくりして自転車の後ろに隠れたって雰囲気を撮りたい。

 どうするか。

 マニュアルフォーカスの出番である。

 ミラーレス一眼の良さがこれ。マニュアルフォーカスが得意なのだ。

 私は近眼で老眼なので一眼レフのファインダーでマニュアルフォーカスとか言われると「どひゃー。運がよければ合ってくれ」レベルなんだが、ミラーレス一眼のEVFは、マニュアルフォーカス時に自動的に「拡大表示」してくれるとか、ピーキングといってピントがあってるところだけ色が変わってくれるとか、いろいろマニュアルフォーカスアシスト機能を持ってるので、近眼で老眼でもフォーカスを合わせられるのである。

 文明って素晴らしい。

 というわけで、マニュアルフォーカスで撮ったのがこちら。

自転車屋さん店頭なのでおしゃれな自転車がいっぱい並んでるのである。その奥に隠れられてしまったのだ。これはマニュアルフォーカスで撮るしかあるまい(2017年2月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

自転車屋さん店頭なのでおしゃれな自転車がいっぱい並んでるのである。その奥に隠れられてしまったのだ。これはマニュアルフォーカスで撮るしかあるまい(2017年2月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II)

 いやあピントが合ってくれてよかった。いいシーンだったから。

 でもこの30秒後、この猫は顔がよく見えるところに出てきてくれたのであった(前ページ冒頭写真)。

 さて、さらに難易度が高いのが草むらに隠れてる猫。

ちょっと上から撮ればなんてことないんだが、低い位置から撮ると手前の草むらが「草むらにかくれてる感」を倍増してくれるから、そう撮りたいのだ。そうすると難易度がちょっと上がる(2017年2月 富士フイルム X-T2)

ちょっと上から撮ればなんてことないんだが、低い位置から撮ると手前の草むらが「草むらにかくれてる感」を倍増してくれるから、そう撮りたいのだ。そうすると難易度がちょっと上がる(2017年2月 富士フイルム X-T2)

 でもまあ、このくらいならオートフォーカスでいける。

 次のこれはもうちょっと難しい。手前に枝葉が風に吹かれてて、猫の顔に正確に合わせるにはマニュアルフォーカスが必要だったのだ。

マニュアルフォーカスを使って草むらの猫を撮影したの図。手前に大きくぼけて写ってる葉っぱや枝がAF時に邪魔をするのだ(2017年2月 富士フイルム X-T2)

マニュアルフォーカスを使って草むらの猫を撮影したの図。手前に大きくぼけて写ってる葉っぱや枝がAF時に邪魔をするのだ(2017年2月 富士フイルム X-T2)

 マニュアルフォーカス時は猫が移動しないよう祈りながらなんだけど、草むらの中にいる猫ってちょっと安心してるので大抵は大丈夫である。

 そして最後の1枚は最高難度のやつをいこう。

 猫の姿がかすかにしか見えてません、というかこうなったらそこに猫がいることに気づくのすら困難。

 実はこの近くに「自治体の許可を得てここでエサを上げています」的な貼り紙があったのだ。だからこそ私の猫探索アイが作動したのである(いやそんな便利な目はないけど)。

 低い位置から探すと、かろうじて片目が見える隙間を発見。よしここで撮ろうと、かすかに見えている目にマニュアルフォーカスでピントを合わせたのであった。

草むらに隠れてたミケ系の猫。そっとしゃがんでカメラを構えて猫を刺激しないよう(動かれるとマニュアルフォーカスはつらい)、フォーカスを追い込んで撮影したのであった(2017年2月 富士フイルム X-T2)

草むらに隠れてたミケ系の猫。そっとしゃがんでカメラを構えて猫を刺激しないよう(動かれるとマニュアルフォーカスはつらい)、フォーカスを追い込んで撮影したのであった(2017年2月 富士フイルム X-T2)

 いやあ、さすがにこれは目が疲れました。

 猫の目の高さに合うようしゃがんで背中を丸め、ファインダーを覗いて(背面モニターで細かいフォーカスを追い込むのは老眼にはムリ)、拡大フォーカスを使って猫の目にフォーカスを合わせ、シャッターを切るのである。

 そんなわけで、一眼レフの光学ファインダーよりミラーレス一眼の電子式ファインダー(EVF)がありがたかったりするのである。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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