このページの本文へ

SSD中心のストレージのイノベーションに異議を投げかける創業者

インフィニダット、SCSKと協業し、ハイエンドストレージの世代交代を促進

2017年02月24日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2月23日、エンタープライズストレージベンダーのインフィニダット ジャパンは、日本市場での販売においてSCSKとの協業を発表した。発表会では、インフィニダット創業者兼CEOのモシャ・ヤナイ氏も登壇し、高性能・高信頼性と低廉なコストを両立できるInfiniBoxのメリットをアピールした。

高信頼性・高性能と低廉なコストを両立させる

 インフィニダットは、ビッグデータやクラウド、IoTなどに対応するハイエンドストレージ「InfiniBox」を手がけるストレージスタートアップ。創業者兼CEOのモシャ・ヤナイ氏は、EMCのファウンダーでもあり、その後IBMのXIVの開発を手がけた生粋のストレージ専門家だ。すでにリタイアしていたが、第3世代のハイエンドストレージを世に送り出すために現役復帰し、2011年にインフィニダットを起業した。

インフィニダット創業者兼CEO モシャ・ヤナイ氏

 現役復帰した背景についてヤナイ氏は、「リタイア後に多くのCIOから連絡があり、データ爆発にまつわるコストの増大に対応できるのか聞かれた。でも、性能や信頼性にも妥協できないと、彼らは口々に言っていた」と語る。

 現在のストレージ市場は、ヤナイ氏が「レガシーモノリス」と呼ぶEMCやHP、IBMなどのエンタープライズストレージのほか、性能重視のオールフラッシュアレイ、そしてサーバーとの統合を進めたハイパーコンバージドインフラなどが選択肢として存在する。一方で、FacebookやAmazonなどのハイパースケーラーは、安価で信頼性の低いディスクを大量に束ねたストレージでビッグデータを運用している。

 これに対してインフィニダットは安価で信頼性の低いニアラインSAS HDDとソフトウェアの組み合わせで、高性能と信頼性を実現するという。従来、高い性能と信頼性を持つストレージを実現するのであれば、高速で信頼性の高いハードウェアを利用するのが常識だった。しかし、この場合は当然ながらコストは大幅にアップしてしまい、ストレージ製品の高騰化をもたらしていた。これに対して、ヤナイ氏はイノベーションによって、コストと性能・信頼性を両立できるストレージを実現できるという。

既存のストレージとインフィニダット製品の立ち位置

 ヤナイ氏は、IBM 3350をミニコンがリプレースし、さらにIBM 3390をPCドライブがリプレイスした過去の事例を振り返る。そして今日は、高性能と信頼性を実現しようと考えれば、SSDを活用するのが必然の選択肢だが、やはりコストの問題を解決できないという。「多くの人は、もはやスピンドライブは過去の遺物だというが、それは真実ではない。むこう10年は、SSDとHDDにある10倍から20倍のコスト差は縮まらないからだ」とヤナイ氏は語る。これに対してInfiniBoxはニアラインHDDとSSDキャッシュを活用した分散アーキテクチャのソフトウェアを独自開発し、コモディティハードウェアベースのストレージにおいても高い信頼性と性能と実現したという。

従量課金モデルも用意するSCSKの販売体制

 InfiniBoxは、コモディティハードウェアによるSDS(Software Defined Storage)をベースにしたユニファイドストレージ。4TBのディスク障害を平均2~3分で復旧させる高速なリビルドや2箇所同時のハードウェア障害に対応し、99.99999%(セブンナイン)という高い可用性を実現する。また、HTML5ベースのモダンなUIやストレージ管理のためのAPIなども用意しており、管理性にも配慮。現在、グローバルの顧客数は300社を超え、出荷実績は450PB以上になっているという。

 今回、インフィニダット・ジャパンはSCSKとの協業を発表し、日本での展開を加速させるという。登壇したSCSK 執行役員 ITエンジニアリング事業本部長の池直樹氏は、提供方法、サポート、ソリューションの3つの面で顧客に高い価値を提供すると説明する。

SCSK 執行役員 ITエンジニアリング事業本部長 池直樹氏

 まず提供形態は買い取りのほか、使った分だけの従量課金も用意する。無停止での増設も可能なので、容量を容易に拡張可能。SCSKの池氏は「わずらわしい増設なしで、お客様には使いたい分を使っていただく」とアピールする。また、技術サポートとして24時間365日体制のオンサイト保守サポートを提供するほか、他製品やサービスとの組み合わせたソリューションを提供。池氏は、「現在のビッグデータ、IoT、AI、クラウドなどを支えるエンタープライズシステムのパラダイムを変えると革新している」と、インフィニダットへの期待を示した。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  3. 3位

    ネットワーク

    ネットワークとセキュリティの統合に強み 通信事業者系ZTNA/SASEサービス3選

  4. 4位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  5. 5位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  6. 6位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

  7. 7位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  8. 8位

    サーバー・ストレージ

    「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る

  9. 9位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  10. 10位

    ITトピック

    AIセキュリティで必要な6つの対策/20代の半数が「検索エンジンを使わない」/生成AIツールはエンジニアの「業務インフラ」へ、ほか

集計期間:
2026年05月19日~2026年05月25日
  • 角川アスキー総合研究所