国外展開も難航、ブラジルは事実上撤退
Xiaomiの苦戦は国内だけではなく、Barra氏が任された国際展開も同様だったようだ。インド以外はほとんど鳴かず飛ばずと言われている。ブラジルでは2016年にこれ以上の製品発表をしないことになり、China Tech InsightsによるとXiaomiのブラジルチームは中国に戻っているとのこと。一方で唯一の成功となったインドは2016年、10億ドルを売り上げだという(http://www.chinatechinsights.com/analysis/11281757.html)。
Wall Street JournalはXiaomi内部の話として、Lei Jun氏が2016年に一部の責任をBarra氏の下から、他の部署に移していたと報じている。Xiaomiの広報担当はこれについてコメントしていない。
そのような中、Barra氏は1月23日、TwitterにてXiaomiを辞めることを発表、詳細を記した自身のFacebookの投稿にリンクを貼った(https://www.facebook.com/hbarra76/posts/10154010035641612)。そこでBarra氏は、「特異な環境に数年間身を置いたことは、自分の人生に大きな犠牲を強いるものであり、健康に影響が出始めた」などと記している。
Barra氏はこの投稿のなかで、友達や家族に近いシリコンバレーに戻るとすでに公言していた。Facebookへの移籍がZuckerberg氏により発表されたのはその約3日後のことだ(https://www.facebook.com/hbarra76/posts/10154020362016612)。
Barra氏の穴を埋めるのは、ベンチャー事業を通じて同社に投資するQualcommの元幹部で、現在Xiaomiでシニアバイスプレジデントを務めるXiang Wang氏と発表されている。Wang氏こそ、1月のCESでステージに立った人物だ。なお、Barra氏はアドバイザーとして今後もXiaomiに関わるとのことだ。
Xiaomiが中国初のグローバルブランドになるかと言われていたのはほんの数年前のこと。移り変わりの激しいスマートフォン業界で、Xiaomiは復活できるのだろうか(なお、Xiaomiはスマートフォンのほか、タブレットやリストバンド、空気清浄機、TVとさまざまな製品を持つ。だが、これらの中心役を担うのはやはりスマートフォンとなる)。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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