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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第60回

ステンシルマシンをレストアしてみました

2017年01月22日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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動作不良だったので掃除をしてみました

 所ジョージさんがテレビ番組で使っていたのでご存知の方も多いと思いますが、ステンシルマシンはステンシルの型紙をつくるための機械です。購入したのはmodel Hという、文字の高さが2分の1インチサイズのもの。重量が21kgとかなり重いんで送料が高いかと思いきや、2000円ちょっとでした。アメリカ国内なら無料となっていたので、代金にある程度の送料が含まれていたみたいです。

 写真で見ると結構汚れた感じでしたが、現物もかなりな状態でした。日本人ってオークションで落札されると掃除して送る人がほとんどだと思いますが、アメリカ人ってそのまま送ってくる人も多いです。これもまさにそれ。外側はまだしも、内部にホコリがあるのが見えます。試しにすべての文字を打ってみたら、綺麗に抜けなかったりグシャっとなってしまったりする文字がありました。G、L、M、2、-、.の6文字にいたってはレバーを押すことさえできません。文字の選択はハンドルを回すんですが、それがときどき引っかかってしまうこともありました。

 出品者の話では動作テストをしたとのことだったんですが、そこはアメリカ。まともに動かないことなんてよくある話です。それに今回は30日の保証も付いてたんで、動作不良のときは返品も可能。気が楽です。ちなみに、なんか動かないところがあるんだけどってメールをしてみたら「ウチに来たときは動いてたんだけどねー。送り返してくれたら返金するよ」と、これまたよくある返事が。

試してみたら打てない文字もあったりして、かなり難アリな状態です

 まぁ市場価格の3分の1ぐらいなんで、そんなことだろうとは思っていました。難アリではありますが、ステンシルマシンは紙を差し込んで文字をハンドルで選択し、レバーを下げるとガチャンと文字が打ち抜かれるというシンプルな機械。機構的には単純なんで、掃除をして注油すれば直るに違いありません。最悪返品すればいいし、機械モノの掃除は嫌いじゃないので早速やってみます。

 分解の手順がわからないので、まずはひっくり返して裏側を見てみました。底板などはなく、中身が丸見えです。思ったよりは綺麗でしたが、肝心のメカ部分はホコリまみれ。ずっと掃除をしていないエアコンのフィルターみたいにホコリがこびりついていたので、エアダスターでザッと吹き飛ばしました。上下がボルト4本で固定されているようなので、ソケットレンチで外してみました。サイズは2分の1インチです。

まあまあ綺麗な裏側。上下を止めている4本のボルトを外してみました

メカ部分は半端ない汚れっぷり

 これで上下が分割できるかと思ったんですが、まだでした。ハンドルを外さないとダメみたいです。文字盤を外してみると、文字盤のベースが軸に固定されていて、上半分が抜けないようになっていました。文字盤のベースにはひび割れがありましたが、修繕が必要なほどではなさそうなので、このまま使います。

 次はハンドル。このハンドル、試したときになんだかグラグラするなと思っていたのですが、4本のアームのうち2本が折れていました。とりあえずはそのままにしておきますが、余り力を入れると残る2本もヤバいかもしれません。あとで補強しようと思います。

文字盤のベースにひび割れがありましたが、このままでも特に影響なし

ハンドルの途中が折れています。いつかは直した方がよさそう

 ハンドルを外すと、ようやく上下を分割することができました。大きなホコリは掃除機で吸い取ったりエアダスターで吹き飛ばしたりしましたが、こびりついたホコリや汚れは取れません。塗装面にはよくないんですけど、自動車用のパーツクリーナーでどんどん洗い流していきます。

ざっくりバラせました

パーツクリーナーで汚れを洗い流します。右中央が洗ったところ

 文字を打ち抜く機構は、穴あけパンチと同じ。文字の形をした刃と、文字の形に穴が開いた部品が並んだ円盤があり、レバーを押すと、刃が下がって紙を打ち抜きます。刃の付いた円盤は本体の上半分に入っているのですが、プレート状の部品が邪魔でケースから取り出すことができませんでした。

 プレートは、紙を送るローラーを固定するネジで一緒に留められていました。このネジを外して……と思ったら、これが固くて全然外れません。ラスベネという潤滑剤をこれでもかと吹き付け、しばし待ったあと再挑戦するもまったくビクともせず。マイナスネジなこともあって力を掛けづらく、2~30分格闘の末、ネジの溝をなめ始めてしまいました。このままではネジがダメになってしまいます。

 こういうときはドライバーをハンマーで引っぱたくと固着が剥がれて回せたりするんですが、それでもダメ。これでは埒が明かないので、インパクトドライバーとネジザウルスを買ってきました。インパクトドライバーは引っぱたいて回すドライバーで、ネジザウルスはネジ外しに特化したペンチです。どちらもいつかは欲しいと思っていた工具なので、ちょうどいい機会です。

 初めて使う工具にちょっとワクワクしながらインパクトドライバーをネジにあてて数回引っぱたいてみたものの、やっぱり回る気配がありませんでした。むむむ。力加減がわかりませんが、これ以上やっても無理っぽい感じ。あとはネジザウルス先生だけが頼りです。で、拝むような気持ちでネジの頭を挟んでグッと回してみると、なんと成功! 回りました! 簡単に回せたっていうレビューは見ていたのですが、そうは言っても要するにペンチなんでしょ? と疑っていたワタシがバカでした。評判は伊達ではありません。さっきまでの苦労が嘘のようにスルリと回りました。たぶん、その前に使ったインパクトドライバーも効いてるんだと思います。どっちも買ってよかった!

インパクトドライバーを試すもビクともせず

ネジをガシッと掴んで回せるネジザウルスで、無事外せました。よかった

 プレートを外すと、文字の刃が付いた円盤を取り出せました。そしたらこれがまた酷い状態。ホコリの塊だらけです。周囲のボルトを押し込むと刃が下りるようになっているみたいですが、どれも固くて指で押せる方が少ないぐらい。これじゃちゃんと動くわけがありません。

 またもや掃除機&エアダスター&パーツクリーナーの出番です。ホコリを大雑把に除去したあと、パーツクリーナーをガンガン吹き付けて洗い流します。が、なんとそんな使い方をしていたら途中でパーツクリーナーが空に。仕方ないのでさっき行ったばかりのホームセンターに1時間ぶり本日2回めの訪問です。

 文字の形の穴が開いた部品は、錆びてはいるものの汚れはさほどではありませんでした。刃の方はかなり汚れています。これもパーツクリーナーを吹き付けて古い歯ブラシでガシガシと磨きました。

 そしてざっと綺麗になったところで一旦休憩? こちらも今回はここまで。次回に続きます!

あまりに汚くてビックリなカッター部分

このへんは下側なのでまあまあ綺麗

刃の方は汚れまくり。パーツクリーナーと歯ブラシでお掃除

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