ソニーのαシリーズに久々のフラッグシップ
「α99II」と「SAL70200G」で撮影会に挑む
12月初旬、グッドスマイルレーシングの広報でもあるスエミィーことスピーディー末岡から「今年もRQ撮影会きてね! 機材は用意しておくから!!」との連絡があり、「レーシングミクサポーターズフォトセッション」の東京会場(第3部)に参加した。3年連続のような気もするのだが、ともあれ手ぶらでスタジオに到着したところ、渡されたものはソニーの一眼レフカメラ「α99II」と同じソニー製のレンズ「SAL70200G2」だった。というわけで、今回はα99IIとSAL70200Gの軽いインプレションを交えつつ、RQのみなさんを見ていこう。
スティックと検索性の悪さ以外はすこぶるいい
シャッターストロークは短く、シャッターラグも低減されており、またEVFの遅延も少なくなっている。動体やポートレートを中心に撮影するというのであれば、発色良好なEVFの良さも含めて、α99、もしくはα77Ⅱからの買い換えの大きな要因になるだろう。
気になった部分はスティック。個体差もあるようだが、スティックの反応が際立って鈍く、ファンクションから機能選択する場合やフレキシブルスポット使用時に強いストレスを感じた。設定項目移動をスティックで実行しようとした場合も同様だ。店頭展示品でのチェックでもスティックが反応しない個体があったので、そもそもスティックの作り自体が甘いのかもしれない。
ソニープロイメージングサポート側でも既知とのことで、ソニー側の対応を期待したい。ファームウェアの反応がもたつくことがあり、こちらは不意打ちのようにやってきたので、難儀するシーンもあった(フレキシブルスポットの点数を減らすと軽くなったので、そのあたりが負荷の原因だとは思うが)。
そのほか、メニュー項目数が増えたことで詰めた設定がやりやすくなったことは確かだが、検索性は致命的に悪い。よく使う機能だけ1~2ページ目にもってこれるような作りを希望する。
というわけで、ダメすぎるスティックとなるべく関わりたくない設定のために活用したのがボタンカスタマイズだ。フロントマルチコントローラーをはじめとして、ボタンの大半である13ボタンがカスタムの対象になっている。割り振れる機能は65項目と撮影に関わるものがほぼ揃っているため、自分に合わせてカスタムしていくほど、他人が使いにくいカメラになっていく。この点、α7シリーズ以降で顕著だが、個人的にはいいぞもっとやれだ。
α7RⅡとの比較になるが、向上していると感じたのはホワイトバランスと測光、DROだ。ホワイトバランスはとくに良くなっており、光源的な問題からくる色被りは仕方ないとして、手動ですることがかなり減った。雰囲気重点やホワイト優先といった項目も追加されており、ホワイト優先は店頭で試してみると気に入るハズだ。
測光は画面全体平均とハイライト重点のふたつで、今回のように白色が多い状況であれば、白飛びを抑えた値を出してくれるハイライト重点が効果的だ。画面全体平均はスマホで採用している端末がいくつかあるが、画面全体の平均を値として採用するというもの。
DROについてはLv1~Lv2の違和感がほとんどなくなっており、さっさとJPEGで納品しないといけないときに活用できそうだった。こちらは暗めの場所でとくに重宝するだろう。これまでオフがデフォルトだったのであれば、試してほしい。下記サンプルカットのモデルは黒田みこさん(@miko_prpr)。