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RADEON RX470でも結構快適!? VRゲームの快適度をガチ検証

2016年12月05日 11時00分更新

文● 加藤勝明 編集●ジサトラ ハッチ

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 HTC ViveやOculus RiftといったVRヘッドマウントディスプレー(HMD)はハードウェア、特にグラフィックボードへの要求スペックが高いため導入に躊躇しがちだ。だがコストパフォーマンスの優秀なPolaris世代の最新RADEON RX400シリーズならどうだろう? という疑問を解消するために、前回はVRベンチマーク「SteamVR Performance Test」、「VRMark」を利用して性能評価を行なった。結果としては一番下のRX460を除けば、RX470でもRX480でもVRHMDの要求する描画性能は出せる、といったものだった。

 だがベンチと実際のゲームのパフォーマンスが乖離しているというのはよくある話。そこで今回はHTC Viveの環境を準備し、筆者の気になったVRコンテンツをいくつか試してみた。テストに使ったRADEONは全てASUS製、テスト環境も前回と全く同じものを使用している。前置きはこれくらいにして、早速Viveでの検証結果を報告しよう。

RX470以上なら安定の「Google Earth VR」

 まずは先日リリースされて話題を呼んだ「Google Earth VR」から試してみた。文字通り実際の地球の上を自由に見回すことができるアプリだ。

Google Earth VRは宙を移動しながら、地球の自然や都市の景観を楽しめるHTC Vive対応のVRアプリ。無償で体験可能

 Vive上で動くVRアプリのパフォーマンスをチェックするには、デスクトップに表示されるビューのフレームレートを直接Fraps等で計測する方法と、Viveが独自に集計する「フレームタイム(1フレームの描画に必要な時間で、短いほどよい)を見る方法があるが、Google Earthは後者しか使えない(一応デスクトップ上にビューも出るのだが、フレームレートはかなり落ちる)。それではRX460から480まで順番に見ていただこう。テストは東京タワー付近で左右を見回した時のものだ。比較的細かいビルが多いため、描画不可は程々に高いといったところだろう。

RX460で「Google Earth VR」をプレイした際のフレームタイム

RX470で「Google Earth VR」をプレイした際のフレームタイム

RX480で「Google Earth VR」をプレイした際のフレームタイム

 このフレームタイムの見方を解説しておくと、GPUとの相性の善し悪しを見るには上下に2つあるグラフのうちの下側を見る。横が時間軸(フレーム)で、縦軸がそのフレームを描画するのに費やした時間となる。当然高性能なGPUほど、グラフの棒(紫~オリーブグリーンまでの長さ)は短くなり、アイドル時間(一番薄緑の部分)が長くなる。Viveで要求される90fpsを出すためには、GPUのフレームタイムが少なくとも11ms(ミリ秒)未満でなくてはならない。Viveでは10.5msに近づくとグラフ上に警告の赤いラインが出現する。

 それを踏まえて上のグラフを見ると、まず前回のVRMark等でVR不適格とされたRX460のグラフには赤い警告ラインが出まくっている点に注目。処理に14ms以上かかるフレームが頻発するため、フレームレートは上がらないどころか、首を振ると映像がブレたように見えるため非常に酔いを覚える。動作しないことはないが、快適に楽しめないのだ。

 だがRX470や480ではおおよそ4ms台に収まっている。RX470だと時々処理が苦しくなるのかフレームタイムが増えることがあるが、それでも6ms程度で済んでいる。こういった状況だとVive上のフレームレートは90fpsでほぼ安定し、快適なVR体験が堪能できる。

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