一般的なPCとは違う、ちょっと変わったミニパソコン「Diginnos DG-CANPC」。前回は本機に合いそうな使い方を提案してみたが、PCとしての実力も気になるところ。実際に操作した限りでは、ドキュメントを製作したり、ブラウジングしたり、あるいは動画再生などを行なっても、特にストレスを感じることなく動作した。GPUがCPU内蔵なので若干の不安がある程度で、通常作業であれば大きな支障は出ないだろう。
そこで今回は、具体的にどの程度のポテンシャルを持っているのか、定番のベンチマークテストを実施して、その性能を検証してみた。
まずはマシン全体のパフォーマンスを測るべく、定番のベンチマークソフト「PCMark 8」と「3DMark」を用いて、性能をチェックしてみた。
PCMark 8によるパフォーマンスチェック
総合系ベンチマークソフト「PCMark 8」は通常作業などのパフォーマンスをチェックするためのソフト。今回は「Home」、「Creative」の2種類のチェックを行なった。
スコアは「Home」が1722、「Creative」が1932となった。一般的なタブレットPCと同じレベルと想像していたのだが、若干本機のほうがスコアがいいイメージ。このポイントであれば、ブラジングや通常のアプリケーションは快適に動くだろう。
3DMarkによるパフォーマンスチェック
CPU内蔵のGPUのため、ゲーミングPCのような3D性能を望むことはできないが、そのパフォーマンスを測るため、3DMarkによるテストを行なった。
スコアは「Fire Strike」で259、「Sky diver」で1164となった。テストの間に表示される動画も紙芝居のような動きとなり、やはり3D性能においては厳しい感じであった。
CINEBENCHでCPU負荷テストを行なう
実際の3Dグラフィックスのレンダリングなどのベンチマークテストが行なえる「CINEBENCH」。このソフトではCPU性能などを測ることができる。ベンチマークのスコアは下記のような結果となった。
グラフィックスAPIのOpenGLは14.60ポイント、CPUの性能テストでは131ポイントという結果となった。この結果からも、大きな負荷がかかる動作はやはり苦手なことがわかる。よく使われるアプリなどは特に支障がなかったことから、軽作業やメールのやり取りなどに使うなど、割り切った使用がやはり向いていると思われる。
「ドラゴンクエストX」ベンチマーク
それでは実際にゲームをしたらどのような結果になるのか、ゲームのベンチマークで本機のパフォーマンスを見てみよう。おなじみの「ドラゴンクエストX」ベンチマーク。
「CINEBENCH」の結果を踏まえ、フル画面では厳しいと思われたため、1280×720の標準画質でテストを行なった。
ゲームの中でもそれほど負荷の高くない「ドラゴンクエストX」ベンチマークでもやはり厳しいスコアとなった。なんとか快適に遊べないか、試したところ、640×480の解像度で低品質の画質であれば普通に動作することがわかった。
画面は小さくなるが、ストレスなく遊ぶことは可能なようだ。負荷の高くない本ベンチマークでこの結果であったので、ほかのゲームのベンチマークは今回行なわなかった。もちろん3Dグラフィックスを使わないようなゲームであれば問題なく動作していたので、ちょっとした暇つぶしにリビングで軽いブラウザーゲームで遊ぶくらいなら支障はない。
前回、いろいろな使い方を提案したが、やはりセカンドマシンとして、家族みんなで使ったり、動画を観るというような使い方に向いていると思われる「Diginnos DG-CANPC」。負荷の高いアプリの利用などにはあまり向いていないが、2万円台で購入できる手軽さと、独特の形状から、そのフットワークの良さをうまく利用し、これまでのPCとは違う使い方を考えてみるのが楽しいPCだ。