米国時間10月27日、Appleは本社キャンパス内にあるタウンホールと呼ばれる小さなステージで、新型となるMacBook Pro、3機種を披露しました。
そのうちの13インチTouch Bar非搭載モデルは翌日28日から発売、それ以外の上位モデルは11月17日頃から手元に届く予定となっているようです。そんなことがわかっているのは買い換えようとして、すでにオーダーしているからです。オーダーしてから、まだ13インチか15インチで悩んでいるのですが、15インチを引き続き使おうと思っています。
今回発表会も取材しましたが、イベントのタイミングからも、タイトルである「hello again」からも、MacBook Proがリニューアルされることがわかっていたので、どのモデルに買い換えるか、という前提で望んだ次第です。個人的には。
MacBook Proは2010年モデルから使っています。さらにさかのぼればPowerBookも使っていたのですが。今使っているのは2012年モデルのMacBook Pro 15インチで、かれこれ4年半の付き合いになっています。昨年あたりから買い換えを検討していたのですが、タイミングを失っていて、フルモデルチェンジしたら変えようと決めていたところでした。
Appleのノートパソコンは確かに相対的に割高で、Windows系なら同じようなスペックでもっと安く買えるのではないか、という意見もあります。そしてクラウドの時代、プラットホームに関係なく作業ができる環境を整えておくのは、リスク回避の意味合いも含まれます。
ただ、2012年に購入したパソコン4年以上持ってくれたこと、手になじむエディターアプリが結局Macにしかないこと、日米を行き来していて、サポートやアクセサリーの調達の面での不安がないことなどを考えると、フルスペックのMacBook Pro 15インチはさほど悪い選択ではないと思っていたりします。
やっぱり気になるTouch Bar
開発者にとっては新しいUIへのキッカケとなる?
新しいMacBook Proの大きな変化点は、より薄く軽量化されたことやTouch Barなんかよりも、ディスプレイがさらにキレイになったことです。
筆者の2012年モデルとなるMacBook Pro 15インチのRetinaディスプレイと比べても、発色の面や明るさ、コントラストの違いを感じることができます。
スペックとともに価格を抑えたTouch Bar非搭載のMacBook Pro 13インチ(モデルの識別名では、13-inch, Late 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)にも同じディスプレイが搭載されました。ユーザーの買い換えが想定される、Retinaではない13インチMacBook Airと比べると、見違える精細さと発色という感想を持つ人が多いでしょう。
とはいえ、やっぱり気になるのは一応最新のインターフェースであるTouch IDについてです。
表面はマットな仕上げとなっており、右サイドにあるサファイヤガラスのTouch IDと比べて、マットな仕上げとなっており、そこにディスプレイに表示される文字が浮き上がるような仕組みです。一見キーと同じように見えるが、カラー表示がなされます。
マットな仕上げに見える表面は、触れてみるとツルツルで、見た目と感触の乖離に違和感を覚えるほどです。タップしてボタンや絵文字を選択するだけでなく、画像編集などではスライダーとしての役割もあることから、左右に滑らせたときに心地よい感触は、クセになるかもしれません。
テキスト編集やメールアプリの場合、文字入力中であれば予測候補が表示されます。文字を選択すればテキスト装飾のボタンが出るし、メールアプリでメールボックスを操作していれば、あれば返信や新規作成といったボタンが出てきます。写真アプリであれば「いいね」や画像回転といったツールボタンが表示されます。
ボタンは長押しでさらにオプションを表示させることもできますし、機能を選んで階層の中に進みながら操作することも。このように、作業の状態でめまぐるしく変化する仕組みとなっていて、「このための機能です」というよりは、さまざまな役割を果たす存在と言えるでしょう。
今までのファンクションキーは、キーは固定ながら、アプリによってその機能が変化する仕組みでした。そして多くの場合、マウスやトラックパッドを使えばできるが、覚えればボタン1つで素早くその機能を呼び出せるというショートカット的な役割でした。
Touch Barについても、基本的には「触らなくても困らないキー」です。これは当然のことで、MacBook ProにもTouch Bar非搭載モデルがあるし、過去のMacBookシリーズやデスクトップにも、Touch Barは搭載されていないからです。
今後はApple製のアプリ以外にも、さまざまなMac向けアプリがこのTouch Barをサポートすると思いますが、開発者にとっては、Macアプリでユーザーインターフェースを自分たちなりにアレンジする可能性ができた点で、コミュニティーの活性化が起きると面白いと思います。
公開当初、一部異なる写真が掲載されておりました。お詫びして修正いたします。(11/1 15:20)
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