激薄軽量PCとして発作的に買えるお値段(4~6万円)なこともあり、直販サイトでも量販店でも入手困難なYOGA BOOKですが、編集部に到着して開封の儀はすでにお届けしましたので、今回は10日間の使用レポートと、買っておくべき周辺機器をお送りします。
で、結局YOGA BOOKのタッチキーボードは使えるのか?
みなさんイチバン気になるのはやはりキーボードですよね。クラムシェル型でタッチキーボードというと、2010年の東芝「libretto W100」を思い出すオタクな我々なので、かなり使い勝手が不安だったのですが、このキーボードは使えます。
もちろんホームポジションに指を置いてタッチタイプするのは困難です。指を置いたとたんにキーを押してしまうからアタリマエですが。なので指を浮かした状態でキーを見ながら入力することになります。
キーを押すと「ビッ」と振動して、ちょっと遅れて音が「ピッ」と鳴ります。振動のほうは、押した感覚をフィードバックする感じで、これはあったほうがいいですが、音はいらないですね。メインキーのピッチは約18mmあるので、せせこましく指をくっつけて押す必要はありません。
このタッチキーボードが、画面上で使うスクリーンキーボードとちがうのは、通常キーボードと同様に2つ以上のキーを押すときは同時打鍵なことですね。SHIFTを押しながらAとか、CTRL押しながらCとかです。スクリーンでは通常、順次打鍵なので、タッチ型ですが通常キーボードの感覚で打てます。
タッチタイプができないので、キーボードのバックライトが消えていると入力できません。明るい部屋で使っていると、このバックライトは、標準では明るさがちょっと足りないと感じることがありました。
音も消したいので設定がないかと見回りましたが、コントロールパネルにはありません。Android版では設定メニューの中に普通にあるのですが、Windowsの場合は「ProgramFiles\Lenovo」にあるControlApp.exeで変更できます。自分は振動はONで音はOFF、バックライトはMAXにして使っています。
ただ、キーボード手前のタッチパッド(?)はちょっと改善が必要ですね。パッドの左右にボタンに割り当てた部分があるのですが、ここはパッド扱いの部分みたいで、キーボードの「ビッ」というフィードバックがありません。
もちろんタッチしたとたんにクリックになってしまうので、使いにくいです。逆にいつもタップを多用している人は関係ないので大丈夫ですね。個人的には最上段のファンキションキーをなくして、タッチパッド部分の面積を広げていただけると幸いです。
タップで思い出しましたが、タッチパッドはマウスとして登録されています。なのでWindowsのコントロールパネルではタップのON/OFFや2本指の機能設定ができません。デフォルトでタップがONで2本指はスクロールとなっていてそれ以外は不可となっています。レノボ様、至急タッチパッドドライバーを私に送り込んでください!!
画面が16:10なのがうれしい!
文句が続いてしまいましたが、やはりこの薄さと軽さはステキすぎます。実測したら682gでした。軽いのはもちろんですが、カバンに入れるにも小さくて薄いので苦労しません。いつでもスルっとカバンに入れて持ち歩く気になるWindowsマシンです。
画面が16:9ではなく16:10なのも◎です。自分は社内ラップトップとしてSurfaceBook(3:2)を使っているのでなおさらかもしれませんが、縦スクロールしてブラウズするには縦が長いほうがラクです。LAVIE Hybrid ZEROもはやく縦長画面になっていただきたいと切望しております。10.1型で1920×1200ドットは100%表示でもニジミもなく、画面の最大輝度も高く、不満はありません。ただし、文字がかなり小さくなるので、50才以上の人は150%表示がオススメです。
ベンチマークもとってみました。YOGA BOOKはAtom x5-Z8550にメモリー4GBですが、思ったより善戦。手持ちのLAVIE Hybrid ZERO(2015年モデル)のCore i7-5500Uと比較しましたが、CINEBENCHのCPUスコアは279対119で約43%の速度。3DBENCHではFirestrikeで690対292でこちらもほぼ42%という結果です。第5世代とはいえ2.4GHzのCore i7の半分の速度と思えば、十分なコスパではないでしょうか。
ちなみに、CristalDiskMarkではシーケンシャルリードが1053対140とかなり低めですが、ランダムリードは31対15。YOGA BOOKはeMMCなので十分健闘している値です。Windowsの起動やアプリの実行に待たされることはありません。
ファンレスゆえに気になる発熱ですが、ベンチのような重いプログラムを走らせると、本体のヒンジ寄りの部分の左側の底面が「モワッ」と温かくなりました。触れなくなるほどにはならないので、ある温度でCPUを制御していると思います。膝に乗せていても、秋冬はアッタかくてちょうどいいくらいです。
ちなみに、SIMスロットはデュアル型になっていて、LTEモデルはもちろん、非LTEモデルでもmicroSDカードの部分は生きています。そこに自前のmicroSDをセットして挿入すれば、サブストレージに使うことができます。