オンページSEOのチェックポイント(『「良質なコンテンツ作り」 と合わせて取り組む!いま必要な内部SEO総まとめ』参照)をすべて確認できたら、次はオフページSEOのチェックに進みます。しかしどこから着手すれば良いでしょうか? 被リンクは言うまでもなく重要ですが、オフページSEOで注意すべきなのはそれだけではありません。オフページSEO対策には気が遠くなるような作業が必要で、一見よくできたSEOでさえ問題が見つかります。そのため、オフページSEO対策を小さな作業単位に分割することでリンクジュースの獲得、Webサイトに対する信用や信頼の構築に着手しやすくします。
リンクの審査
被リンクがページの検索順位を上げる上でもっとも重要な検索順位指標であることには変わりありません。被リンクの問題や被リンクの不正操作を問題視していないなら、Googleはペンギンアップデートを作成したり手動リンクによるペナルティーを課したりはしません。リンク構築作業はリンクの審査と被リンクのプロファイルの分析から始まります。
現在のプロファイルを確認する
Webサイトを構築してしばらく経つと、おそらくたくさんの被リンクを獲得しているでしょう。しかし、これらのリンクが実際には良い影響どころか悪い影響をもたらしている可能性があります。過去に提携していたSEOのコンサルタントや企業が採用した戦略が以前はわずかにグレーゾーンに入る程度と見なされていたにも関わらず、現在ではGoogleのガイドラインに違反していることがあるのです。そして結果としてSEOに悪影響を与える可能性があります。
リンクを審査すれば必要ないリンクや害のあるリンクを見つけられます。ドメインにつながっているすべてのリンクの一覧やリンクのソース、アンカーテキストを集めるところから始め、リンクを評価して利益をもたらしているリンクと害をもたらしているリンクを見極めます。Google Search Consoleの「Search Traffic」にある「Links to Your Site」から被リンクの一覧をダウンロードできます。この一覧から、さまざまな面からのリンクの評価を見られます。たとえば、リンクしているドメイン、リンクを獲得したページ、アンカーテキストなどです。
リストは.csvファイル、Googleドキュメントいずれの形式でも出力できます。
リンク分析
リンクの価値を判断し、SEOに悪影響を及ぼしているものや集まったリンクの中で価値の低いリンクを見極めます。価値の低いリンクやスパムのリンクを排除するために、アンカーテキストを見ます。被リンクのプロファイルが健全なら、アンカーテキストは完全または部分一致しているか、アンカーテキストにブランド名やページタイトル、一般的な文言(「詳細はこちら」や「ここをクリックしてください」など)が付いています。以下のアンカーテキストが多く含まれている場合、プロファイルは不自然でスパムのように見えます。
- 完全一致:関連性のない、または難解な言葉を使ったコンテンツにキーワードが完全一致したアンカーテキストを使うのはスパムの常套手段です。しかし、プロファイルが掲載されているコンテンツに関係なく、完全一致したアンカーテキストだけを使ったプロファイルもかえって非常に不自然とGoogleは判断します。完全一致したアンカーテキストを使いすぎると、結果としてリンクペナルティーを課されることになります。
- 関連性のないアンカーテキスト:このアンカーテキストはページにまったく関係がないものです。よくある例としては、バイアグラや、カジノ、ギャンブル(特にオンラインポーカーゲーム)、ペイデイローンなどに関連したテキストが挙げられます。
これらの価値の低いリンクは放っておくとSEOに悪影響を与えます。たとえGoogleが手動ペナルティを課さなくてもです。そのようなリンクを削除できない場合、GoogleやBingのリンク否認ツールを使ってリンクとしてカウントされないようにします。
MajesticやKerbooなどのリンク審査ツールを使えばリンクに関するより多くの情報を集めやすくなります。このツールはリンクしているページの価値をスコアで算出してくれます。リンク一覧をKerbooにアップロードできます。またはツールにWebサイトをクロールさせ、自分のドメインへのリンクを見つけられます。リンクをどうしたいかを考え、リンクにフィルターをかけタグ付けします。そのプロセスの中で価値の低いリンクを否認リストに追加し、リンクプロファイルのスコアを上げます。Majesticを使って自分のWebサイトにリンクしているページを見極めスコアを算出し、それらのページの価値を測定する助けにします。
リンク分析はスパムのリンクを見つけるためだけにするのではありません。もっとも価値の高いリンクを見つけるためでもあります。スコア算出の基準値の名称は使用しているツールによって異なります。しかし、概して、以下の特徴を持つページがもっとも価値のあるリンクがあります。
- 関連したページコンテンツを持っている
- 該当リンクのリンク先も価値の高いWebサイトにリンクしてる
- ページのテキストの中でリンクを使っている
- 価値の高いドメインで管理されている
上のリストを使って新しいリンク先を見つけるかリンク構築期間またはブロガーへのコンタクト期間中にターゲットとするWebサイトの一覧を作成してください。
リンク修復
被リンクを確認します。もっとも価値あるリンクから始め、切れたリンクまたは無効になったリンクを確認します。最初に404エラーを返すページを見つけます。Google Search Consoleの「Crawl Errors」に基づいて一覧を作成するかDeepCrawlまたはScreamingFrogのようなツールを使います。これらのツールはWebサイトをクロールし、URLに関する情報の一覧を返します。URLの情報一覧をフィルターし、404エラーを返すURLをすべて見つけます。一覧をExcelに出力し、URLの一覧をすべての被リンクを記載したスプレッドシートにペーストします。VLOOKUP機能を使ってURLをステータスコードにマッピングします(404コードを持つURLをコピーしただけなのでほかのすべてのページの本文は空白のままです)。
切れた被リンクの一覧を見てリンクを修復します。2つの方法があります。
切れたURLに301リダイレクトを設定し、リンクをクリックした人を機能しているページへ誘導します。しかし、301リダイレクトがリンクジュースを生むのは確かですが、Googleはリダイレクトでないリンクを好むので、リンクしているWebサイトの所有者にURLをアップデートしてくれるように短いメールを送ります。リンクが切れているとユーザーエクスペリエンスの質が下がりSEOに悪影響を与え、切れたリンクを有効なリンクに置き換えるのは双方にとって良いという旨伝えます。通常、このような手順を踏むと、高いコンバージョン率が得られます。
ソーシャルメディアの利用
Googleの規定にも関わらず、ソーシャルメディアのSEOへの影響は計り知れません。GoogleはFacebookのいいね!、フォロワー数、リツイート数などのソーシャルメディアの要素を検索順位決定の要因として利用しないとはっきりと表明しました。残念ながら、TwitterやInstagramで人気が出たからといってSERPで順位が高くなることはありません。それに、Facebookサイトへのリンクがリンクジュースを生み出すことはありません。しかし幸いにも、ソーシャルメディアページを使ってSEOを向上させる方法があります。
- ソーシャルメディアのリンクはリンクジュースに数えられないが、検索エンジンは、ソーシャルメディアをクロールし追跡する。新規のページやコンテンツなど、Webサイトを作ったらFacebook、Twitter、YouTube、Linkedin、Pinterestでリンクをシェアする
- 作成したソーシャルメディアのページはクロールされインディクスが付けられる。それらの情報は新しい検索結果に表示される可能性がある。トップページでは競合他社への言及を避けてユーザーを自分のページに引き込む
- Twitterのフィードは現在、Googleの検索結果のカルーセルにブランドキーワードとして表示される。ページ上部にあるLeapfrogでもブランドキーワードとして表示される。
- 2010年にBingはソーシャルメディアでの信頼性を検索順位の要因として実際に使用するとほのめかしている
- コンテンツをソーシャルメディアでシェアすると、エンゲージメントが向上し、広く認識されるようになる。そしてそれに刺激を受けたほかの人がWebサイトを参照し、関連したブログ投稿からのリンクも呼び込む
ビジネス用にソーシャルメディアのページを作成する場合、オンラインで通常検索する名前を使います。たとえば、「United Parcel Service」の代わりに「UPS」を使います。プロファイルのURLが「facebook.com/pages/1234567」のような最適化が不十分な名前ではなく「facebook.com/username」のように表示されるようにアカウント設定で名前を設定します。
ページを作成するときに選択したビジネスの種類により、プロファイルがどのように検索結果に表示されるか決まります。ブランド名やもっとも重要なキーワードを使ってできる限りページのセクションを埋めます。Aboutセクションは最適化が適用されるメインとなる部分です。ページのこの部分に名前、Webサイト、重要なキーワードを追加しますが、長くならないように注意します。ベストは170文字以下です。スパムとして処理されないように自然なキーワードやURLを使用するのが通例です。
アップデートをシェアする場合、さらにページを最適化します。リンクをシェアした場合、多少宣伝文句も盛り込めます。毎回この手法を利用します。検索エンジンはタイトルタグとして見ているので、キーワードは長くならないように、かつシンプルになるように注意して利用します。
ソーシャルメディアはリンクジュースを生みませんが、Webサイトはリンクジュースを生み出します。適宜、Webサイトからソーシャルメディアプロファイルにリンクします。
引用、ビジネスレビュー、コメント
引用
引用は外部のWebサイトに掲載された会社名、住所、電話番号(NAP)などです。通常、商工会議所、ローカルな企業のディレクトリ、ローカルなコミュニティ団体などです。ローカルSEOではこれらの引用は非常に重要です。
NAP引用が一貫して正しく記載されていると、ローカルな検索順位指標としてもっとも効果的なものの1つとなります。逆にNAP引用が存在していない情報を掲載していたり、または一貫していない場合、検索順位指標への悪影響はもっとも高くなります。引用を追跡し、アップデートするのは面倒で労力を要しますが、ビジネスでは非常に重要です。
ビジネスレビュー
ビジネスレビューはまた違ったオフページSEOで、ローカルなオフページSEOにおいて大きな役割を果たします。ビジネスレビューはコンバージョン率に貢献します。カスタマーの80%は人に勧められるのと同程度に、オンラインレビューを信頼します。
ビジネスレビューが良いと、良いブランドとして認知されます。また、強力な引用としての効果も発揮し、検索順位を上げるためにも利用できます。Yelpをはじめとする検索順位で上位に食い込むWebサイト上にURLや名前を載せると、通常競争力のないキーワードでブランドを検索順位の最上位に表示できます。
ブログやフォーラムのコメント
ブログやフォーラム、Q&AサイトなどでコメントをしてWebサイトを宣伝します。プロファイルを作成し、Webサイトへのリンクを記載します。さらにプロファイルを使ってWebサイトやトピックに関連したディスカッションにコメントを残します。質問に答えることでディスカッションを価値あるものにすると、自分の存在を確立し、ニッチな分野に知識を持った人だと認知(ブランド化)されます。
常に質の良いブログやフォーラムにコメントするようにし、多くのスパムコメントで溢れているコメント欄へのコメントは避けます。こうすることでGoogleはURLを質の良いWebサイトと関連づけて考えるようになります。意味あるリンクだけを記載し、単にWebサイトやビジネスを宣伝するためにところかまわずコメントを残さないようにします。Disqusをはじめとするコメント用の人気のプラットホームを使えば、ブログ作成者は簡単にすべてのコメントを閲覧できます。自分のためだけにコメントしていると、スパムと判断される傾向があります。いくつかのコメントがスパムと判断されると、信頼を失い、将来的にコメントを見てもらいにくくなります。
オフページSEOを高めるコツは昔と比べて人気がなく効果が薄いです。というのは、ほとんどのコメントセクションやフォーラムはノーフォローリンクを利用しているからです。しかしそれでもリンクがあればトラフィックを稼ぎやすくなります。ディスカッションを価値あるものにしていれば認知度や訪問数を増やせます。
ドキュメントの共有
SlideShare、Issuu、Scribdをはじめとするドキュメント共有サイトにある種のドキュメントをアップロードするとします。これらのWebサイトはPDFやPowerPointファイルのような検索エンジンがクロールできないコンテンツに対して効果的です。コンテンツをドキュメント共有サイト上に公開する場合、自分専用のページ向けのコンテンツのように扱います。ドキュメントの各部を対象にして最適化するためのキーワード一覧を見つけるためにキーワード検索します。このとき、文書の各部を従来のオンページSEO要素のように扱います。
- ファイル名:文書をアップロードする場合、キーワードリッチファイル名を使用する。小文字のみを使い、単語間で下線の利用を避けるなどSEOのベストプラクティスに従う
- タイトル:Webページ用にタグにタイトルを付ける場合と同様にタイトルを最適化する。文字数は50から60字以内とし、ターゲットとなるキーワードから始める
- 写し(Transcripts):PowerPointや動画ファイルを利用する場合、コンテンツの写しもアップする。クローラーはそれらのファイルを読めないため、写しをアップしないとキーワードを認識できない
Webサイトにつながるコンテンツやリンクを増やすための効果的なWebへの誘導方法が見つかりました。ホスティングサイトの検索順位の力に頼ることなく競争力のないキーワードでコンテンツを検索順位の上位に表示できます。ランディングページを最適化し、クリックスルーで止まっているユーザーをWebサイトに呼び込みます。
画像共有
Flickr、Pinterest、Photobucketなどの写真共有サイトで画像をアップ、シェアします。これらのページはほとんどの場合、ソーシャルネットワークまたはドキュメント共有サイトのように使えます。ファイル名や、タイトルの最適化のベストプラクティスに従い、キーワードを使って説明を記載します。説明の中に自分のページへのリンクを記載します。通常、これらのページは高いPageRankと信頼性を備えていますので、コンテンツと結びつけておくことをお勧めします。加えて、ユーザーはコンテンツをコメント・共有できます。そうなればブランドの認知度の向上の一助となります。
動画シェア
動画はオンラインコンテンツとしてもっとも人気のあるものの1つで、特に広告宣伝の分野で人気です。ユーザーはオンラインで過ごす時間の3分の1を動画を見ています。企業にもその期待がかかっています。消費者の55%が企業のWebサイトには動画があるべきだと考えています。そのため、高品質な短く面白い動画を制作すればユーザーをもっと惹き付けられます。動画コンテンツを作成する場合、YouTube、Vimeo、Dailymotionをはじめとする動画共有サイトでシェアしてください。
ブランド名を使ってプロファイルを作成し、ファイル名や動画タイトルについてはドキュメント共有のベストプラクティスに従います。Webサイトにリンクを記載し、動画の説明では自然なキーワードを使ってください。リンクはリンクジュースを生みませんが、現在もクロール、インデックス付けはされており検索結果に表示されます。
画像や動画ファイルはWebを介して急速に広まる可能性が多いにあります。そうなると、SEOに短期的または長期的に良い影響を与えられます。
最後に
以上のことから、オフページSEOのための作業としてもっとも時間を費やしているリンクの構築やリンクジュースの獲得以外にも、オフページSEOのためにやるべきことはたくさんあることが分かったと思います。しかし、SEOは一晩で解決するような問題でも1度やればそれで終わりでもないことを覚えておいてください。人によってはこのリストの数ある段階をしばしば繰り返していることに気付くこともあります。しかし、適切な方法で段階を踏めば、すぐにトラフィックの増加が見込めます。うまくいけばコンバージョン率も上がります。
※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。
(原文:Off Page SEO Checklist for the Optimized Page)
[翻訳:中村文也/編集:Livit]