開業の手続きから間もなく訪れる確定申告まで、フリーランスにまつわるお金のアレコレを解決していくこのコーナー、第二回目は「ふるさと納税」についてお届けしたいと思います。
ご存じの読者もいらっしゃるかもしれませんが、ふるさと納税には「収入に応じて寄附金額を控除する」という素敵なメリットがあります。しかも日本中の様々な自治体に貢献できるのです!
ただし、控除するためには、確定申告でその旨を申告しなくてはいけません。というわけで、「フリーランスだってふるさと納税で地元に貢献したい! ついでに寄附金控除してもらいたい!!」という目的のもと、ふるさと納税について学んでいきます。
教えて!宮原先生 ふるさと納税の基本のキホン
そもそもふるさと納税ってなんでしょうか? 今回は、当コーナーの強い味方、税理士の宮原裕一先生に、ふるさと納税についてのアレコレをお聞きしてみました。
「ふるさと納税とは、地方と都会との格差是正をするものです。元々は自分が幼少からお世話になっていた地元に、納税という形で恩返しするということが発端なんです」と宮原先生。
なるほど、だから「ふるさと納税」なんですね。となると、自分の出身地の都道府県、市区町村にしかできないイメージですか?
「実際には好きな自治体と税金の使い道を選んで、納税することが可能です。そして、自治体によってはお礼として地域の特産品など、つまり返礼品がもらえることもあります」
それそれ! 肉!肉! あ、魚もいいかな〜。
「それは元々の主旨からちょっと外れてますね。年々返礼品ばかりが目立つようになっていて、換金率が高いものやお得感を打ち出している自治体にふるさと納税が集中し、一方では収支が赤字になってしまう自治体も出ているんです」
なんと! 地方を助けるはずの制度が困らせることになっていると?
「そうです。豪華すぎる返礼品や、お得感をうたうふるさと納税の紹介サイトなどについては、総務省から指導も入っています」
ふーむ。返礼品よりも、お世話になった地元や、思い入れのある場所や、応援したい地方などを選んでみます。それで返礼品ももらえたらラッキーですね!
ふるさと納税の最大のメリットは寄附金控除
ふるさと納税で好きな地方を応援できることはわかりましたが、一番の人気の理由はなんでしょうか。
「ふるさと納税の一番のメリットは、返礼品だと思われがちですが、それではないんです。ふるさと納税は、『納税』という名前がついていますが、実際には自治体への寄附です。つまり、ふるさと納税の全額が寄附金控除の対象になるんです。言ってみれば、所得税や住民税の一部を、ふるさと納税として払っているようなものですね」
エーッ!? ということは、ふるさと納税は「追加で納税する」わけじゃなく、所得税や住民税の一部として払えるというわけですね!?
「正確には、所得税や住民税からふるさと納税分が控除されます。さらに、平成27年度税制改正で、全額控除されるふるさと納税枠が約2倍に拡充されたことで、さらに人気が過熱しています」
うーん。今までやってなかったんですが、これはやらないわけにはいかないですねっ!
この連載の記事
- 第10回
sponsored
確定申告、申告忘れや記載ミスに課される罰則やペナルティは? - 第9回
sponsored
青色申告に変更して65万円控除! 複雑な複式簿記は無料ソフトで時短できる - 第8回
sponsored
初めての確定申告、個人事業主・フリーランスが「損しない」方法 - 第7回
sponsored
個人事業主・フリーランスの節税テク、自宅の家賃や光熱費を経費にする - 第6回
sponsored
マイナンバーで今回の確定申告はこう変わる、10の疑問を解決 - 第5回
sponsored
初めての「確定申告」、年内やることリストをまとめてみた! - 第4回
sponsored
いわばフリーランスの退職金、節税もできる「小規模企業共済」に注目 - 第3回
sponsored
白色申告から青色申告へ、最初の「期首残高」って何を入れるの? - 第1回
sponsored
フリーランスや起業家必見、独立したらどんな届けが必要? ビジネス
アスキー確定申告虎の巻(目次)