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ソフトベンダーTAKERU 30周年 レトロPC/ゲームを振り返る 第3回

レトロゲームの“プロ”達にとっての『TAKERU』

2016年11月08日 12時00分更新

文● 宮里圭介

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レトロPC本体は1台ずつ修理してから販売

 BEEPではレトロゲームソフトだけでなく、当時のPC本体も販売している。それも、単純に買い取った本体を動作確認して売るのではなく、電源コンデンサーの交換といった修理やオーバーホールをしてから販売しているのだ。そのぶん価格は高めになってしまうが、古いまま使うよりも長く、安心して使えるというメリットがある。なお、修理は店頭販売品だけで手いっぱいで、持ち込み修理相談などは受けていないとのこと。

「レトロPCの売れ筋は、拡張することなく当時のゲームがそのままプレイできるものが人気です。MSXなら2+、X68000はXVI、PC-88はmkIISR以降、PC-98なら386以降でしょうか。とくにPC-98はDAからサウンド機能を内蔵しているので、それ以降の機種がいいですね」

CPUを16MHzへと高速化した『X68000 XVI』。デザインが丸みの少ないものへと少し変更されている。この後、3.5インチFDD搭載の『X68000 Compact』や、『X68030』へと続いた

1989年、EXPERTやPROが登場したときのX68000カタログ。なぜかイメージキャラがツタンカーメンだった

レトロゲームの話題では陰に隠れがちなTOWNSだが、初代は1989年発売。CD-ROMドライブを標準装備していたのが新しかった

「動作品のソフトは年々少なくなってきています」

 レトロゲームの購入時に気になるのが、メディアの品質。FDは磁気データとなるだけに消えてしまっている心配があるし、物理的な破損なども気になる。BEEPではゲームの動作確認まで行って販売しているため、購入したけどプレイできなかったということはほとんどないという。

 しかし、買い取り時のメディアの保存状況は必ずしもいいものばかりとは限らないようだ。高温多湿なうえ寒暖差の激しい日本ではメディアの保存が難しく、驚くことに、買い取り時にFDがカビていることは半数くらいあるという。もちろん、古いソフトは普段使わないものだけだけに、風通しの悪い押し入れの奥に押し込んでいるというのも原因のひとつだろう。

「こういったものはゲームが動作しないため、不良品ということで買い取り額は減額になってしまいます。クリーニングも難しいため、チャレンジする人用に安く販売することが多いですね。ゲームだけでなくパッケージが目当てのコレクターもいるので、そういう人は買っていくと思います」

 なお、ROMはFDと違って耐久性に優れていることもあり、MSXは他機種のレトロゲームよりも集めやすいそうだ。

「MSXのレトロゲーなら、今から始めても十分間に合います。ROMが多いので、FDのようにカビだ傷だ読まないだので悩まされることなく遊べますから」

MSX最後の規格となったMSXturboRの『FS-A1GT』。CPUが16bit化されて高速化しているものの、製品は松下電器産業(現パナソニック)からしか登場しなかった

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