高解像度だがしなやかで心地良いサウンド
解放的な音の広がりも好印象
再生周波数帯域は3~40000Hzとなっており、ハイレゾ音源対応となっている。
さっそく音を聴いてみよう。クラシックのオーケストラ演奏を聴くと、個々の楽器の音を粒立ちよく再現する。
高解像度指向の音ではあるが、音色が硬く感じるような尖った印象はなく、しなやかで自然な音色になっている。コンパクトなモデルとしては低音も十分にパワフルで、低音弦も胴の鳴りがしっかりと出ているし、朗々とした響きもよく感じられる。
女性ボーカル曲を聴くと、爽快ですっきりとした音になる。やや細身な印象もあるが、音色がしなやかなので華奢な感じにはならず、声の強弱やエネルギー感もしっかりと出る。鮮明な描写をするタイプと言えるだろう。
大きな美点と言えるのは、ホールの響きやエコー感など音の響きの広がり方が豊かに描かれること。特に低音の深い響きはなかなか聴き応えがあり、ホールでのライブ録音のような響きを豊かに収録したソフトでは、音場の広がりを気持ち良く楽しめる。
どちらかというと繊細さやきめ細かな音の再現が特徴的な音と思えるが、エネルギー感が痩せるようなこともなく、非力さを感じないバランスとなっているので、聴き応えも十分にある。
40kHzまでの超高域にも対応したハイレゾ対応モデルなので、アコースティック楽器主体の演奏やしっとりとした女性ボーカルが好きな人にはよく適したモデルだと思う。
なお、下位モデルのXBA-N1の違いは、ダイナミックドライバーの振動版がLCP素材ではないのと、拡張空間が設けられていない点となる。
コスパの高いモデルもちゃんと用意した
ソニーのポータブルオーディオ
9月のハイエンドモデル登場で、ソニーのポータブルオーディオも高級路線へ向かってしまうのか、と思った人も少なくないと思う。
しかし、手の届く価格帯のモデルでもしっかりと実力を高めたモデルを用意しているのは、さすがはソニーだ。
ハイエンドモデルも、手の届くモデルも、いずれもしっかりと作り込まれた製品ばかりなので、まずは実際に自分の耳でその音を確かめてみてほしい。きっと、お気に入りのモデルが見つかるはずだ。
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