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マイクロソフトとの連携、960MHz帯・2.4GHz帯のモジュールも発表

モジュールと利用料で1万円切ったさくらのIoT Platform βがスタート

2016年10月06日 12時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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モジュールや通信、プラットフォームまで含めて9960円

 さくらのIoT Platform β版の通信モジュールは同日受け付けを開始。LTE通信モジュールとオプションは10月末頃に発送される。なお、ゲートウェイ方式の製品は後日提供される。

 気になる通信モジュール単体(SCM-LTE-beta)の価格は定価9960円。しかも、通信モジュールには100万回のIoT Platformとのデータ送受信料金を含んでおり、1分間に1つのデータをやりとりすると約2年間の通信が可能になるという。

2年間のデータ通信料、プラットフォーム利用料まで含めて9960円を実現

 山口氏は、「われわれは通信モジュールだけを売っているのではなく、間のLTEの閉域網、そしてプラットフォームまでまとめて売っています。緑色の板が9960円なのではなく、通信をして、データを溜め込んで行く部分まで含めて、9960円になっている」と強調。田中社長からの「2年間使え、しかも1万円を切る価格」というリクエストにきちんと応えた形になった。また、通信モジュールのオプションとして、Aruduinoシールドボードと検証用のブレイクアウトボードも用意される。

 山口氏は通信仕様についても説明した。さくらのIoT Platformでは、最大16チャンネル分(1チャンネルあたり64ビット)のデータの固まりをRMという1つの伝送単位と捉える。一方、さくらのIoT Platformは、RP(RelationPoint)という単位で機能を利用でき、たとえば1RMのデータ通信で1つのRPを消費することになる。モジュールの新規購入の際は100万RPが付与されるほか、100円の月額利用料に4万RPを含むという。RPは100円単位で購入可能だ。

RMやRPなどIoTプラットフォームの用語

薄利多売のモデルで果たしてさくらは儲るのか?

 現状、通信モジュールは「数千枚単位」(山口氏)用意されており、直販のほか、スイッチサイエンスなどを介した間接販売を行なう。β版においては、通信モジュールとオプションをすべて半額で提供し、プラットフォームの利用も無料にするため、RPは一切消費されない。こうした思い切ったキャンペーンを実施することで、ユーザーの拡大を狙う。とにかく多くのIoTデバイスに通信モジュールを組み込み、「そこに、さくら」という状況を実現したいという。

通信モジュールやオプションまで含めてキャンペーン中は半額で提供

 しかも、今回発表された価格は、あくまでβ版のもの。「みなさんの反応を見ながら、さくららしい価格を作っていきたい。今まで『さくららしい価格』と言って、値上げしたことはない」(山口氏)とのことで、量産効果も含め、本サービス開始時にはよりアグレッシブな価格を目指す。

さくららしい価格を目指すとアピールするさくらインターネット loT事業推進室 部長 山口亮介氏

 当然ながら、薄利多売になると、さくらにとってビジネスになるのかという疑問も沸く。これに対して、江草氏は「IoT Platform単体で大きな儲けを考えているわけではない。さまざまなモノが通信を始め、インターネット上に出てくるデータが増えてくると、クラウドのコンピューティングリソースやデータ保存、トラフィック処理のニーズが市場として増えると考えている。その中の一部で、さくらのクラウドや専用サーバー、高火力コンピューティングを使っていただくことで、われわれのサービスの利益が増えることを期待している」と答えた。

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