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「10月7日のCEATECに来た方には“超いいこと”が……」とさくら・江草氏

発表直前β版もチラ見せ!「さくらのIoT」ユーザーのLT大会

2016年10月04日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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ライトニングトーク大会ではα版ユーザーからの厳しい注文も?

 ライトニングトーク(LT)セッションでは、さくらのIoT Platform α版を使用している6名のユーザーが、それぞれの開発したIoTデバイス/アプリケーションや利用アイデアなどを披露した。

 大阪・日本橋で電子部品ショップを展開する共立電子産業の長者原 亨さんは、同社内で開発したトイレのIoT「IoToilet」を紹介。トイレの個室ドアにセンサーを取り付けて空き状況がわかるようにしたほか、洗面台にある電動石けん液ディスペンサーの稼働回数をカウントし、石鹸残量を監視している。

 長者原さんによれば、上述のようなIoTを社内開発してみたきっかけは、ある衛生用品メーカーからの「病院内に多数ある消毒液や石けん液ディスペンサーの液残量を可視化できないか」という問い合わせだったという。ほかにも自販機やガチャガチャにIoTデバイスを載せるなど、さまざまなアイデアを試行している同社だが、従来の3G/LTEモジュールのコストはやはりネックになっており、さくらのIoT Platformが安価に提供されることで「ハードルが低くなるのでは、と期待している」と語った。

「屋内なのでWi-Fiを使っているが、屋外でどんな通信手段があるか、検討していたところ、さくらのα版が出てきた。この図の右の部分をさくらの通信モジュールに置き換えるだけで、無改造で使える」(長者原さん)

 またテクニカルライターの大澤文孝さんは、ZigBee無線機能搭載の低消費電力マイコン「TWE-Lite(トワイライト)」とさくらのIoT Platformを組み合わせることで、PCレスで各種センサーの計測値をクラウドに収集したり、モーターやスイッチを制御したりするアイデアを紹介した。

 大澤さんの作った試作機は、温度センサーを取り付けたTWE-Lite子機とTWE-Lite親機をZigBeeで無線接続し、さらに親機とI2Cで接続したさくらIoTモジュールを介してインターネットに温度データをアップロードする。今後はさらに、「複数台の子機への対応」や「IoT Platform側からの通信」などにも取り組みたいと大澤さんは語った。

「TWE-LiteはPC(USBデバイス)を親機にすることもできるが、さくらの通信モジュールを使えばPCレスでデータをインターネットにアップロードできる」(大澤さん)

 ファブラボ関内のディレクタで、日本Androidの会 横浜支部長も務める大和田健一さんは、ArduinoとIoT Platformを組み合わせて、自作の温度/湿度/気圧センサーボードが取得したデータをインターネット上のサーバーに送り、Python Flask+MySQLのシステムを介してGoogle Chartで可視化するシステムを構築したことを紹介した。

大和田さんの構築した温度/湿度/気圧観測システム

ファブラボで美麗なアクリルケースも自作

 なお、LTに登壇したユーザーからは「当初はIoT Platformのドキュメント、サンプルコードが公開されておらず困った」「ケースを作るためにモジュールのCADデータを公開してほしい」「α版モジュールのアンテナコネクタが弱いのでは」といった、α版を利用したうえでの要望や意見も多く聞かれた。こうした率直な意見が直接聞けたという意味でも、ユーザー参加のLT大会を開催した意義があったと言えるだろう。

ちなみに、さくら自身は「IoTポット」を出品。マイコンが給湯モーターと湯温を監視しており、お湯を注ぐとSlackに「ジャ~~~~」や「チョロ」などとつぶやく、やや反応に困ってしまう一品だ

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