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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第8回

ハイレゾをこれから始めたい人へ、AK70はいいぞ!!

2016年10月07日 17時30分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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本体だけでも高音質、組み合わせれば多彩な音質も選べる

上部の写真。シンプルな見た目だが、バランス駆動にも対応している

 さて使い勝手や音質についてみていこう。

 筆者の手元には第2世代のAK240、第3世代のAK380の両方があり常用しているが、DACの違いもあり、聴いた感じの印象は第2世代に近い印象がある。第3世代は旭化成エレクトロニクス、第2世代はシーラス・ロジック、ちなみにAK Jr.はウォルフソンと世代で使用しているDACのメーカーが異なるのがAKシリーズだ。

 第2世代は、派手すぎない程度にはつらつとしているというか、メリハリ感が高く、中低域がぐっと前に出てくる印象で、ビート感のあるポップスやロックのなどは楽しく聴ける印象であった。

 操作してみて実感したのは、3.3型のディスプレーは、手にもつのにちょうどいいこと。一方で液晶パネルは少々ぎらつく印象で、このあたりがコストに関係しているようにも思えた。

 ほかにもエッジのカットの仕方など、上位機種のほうが当然、配慮が行き届いているなと思える部分があった。DP-X1もバランス駆動に対応しているが、本機はそれよりもかなり小型だ。

 UIは非常に優れている。ディスプレーの面積は広くないが、そのスペースを有効に活用するためドラックで表示できるボタンの数を調整できる点は面白い。こういった細かい工夫はAstell&Kernならではで好印象である。

バランス駆動に対応、低域の支えなどから十分な駆動力を実感

 外観上では多少、コストダウンしている感があるのは否めないのだが、音を聴くとそんな印象は吹き飛ぶ。「これでいいじゃないか」と思えるまとまり感のよさだ。逆にAK300は緻密で高域が伸び、細かい音を繊細に再現する印象がある。少々傾向が異なるので、好みに応じて選択するのも面白いだろう。

 またAKシリーズの末弟といっても、バランス駆動に対応する点はポイントが高い。

 バランス駆動にすると、低域の支えがよりしっかりする印象で、AK240を筆頭とした第2世代の上級機の雰囲気により近づく。音の立ち上がりははやく、メリハリが効いているが、音の輪郭は細かい線で緻密に描くというよりは、太い線で力強く描写している感じがある。芯の通った堅実な音作りでもある。

DSDはPCMに変換しながらの再生だが対応している

 試聴はAKT8iE MK2を中心に使ったが、手持ちの機材でいうと、ビクタースタジオでも使われているモニターヘッドフォン「HA-MX100-Z」との相性もかなりよかった。上原ひとみの「ALIVE」などを聴いたが、ハイレゾならではの情報量に加え、安定感がある。なかなか満足度が高いサウンドだ。

 というわけで、単体で使用した場合でもかなり満足度の高い音質だ。

USBデジタル出力が、利用の幅を広げる

 さらにマニアックに楽しみたいという人は、USB DACへの出力機能もぜひ試してもらいたい。選曲操作にAK70を使い、再生は外部のUSB DACで行なう方法だ。

 試してみると受け側のDACの仕様に合わせてサンプリングレートを自動調節する機能もあるようだ。例えば、筆者所有のKSE-1500の受けは、最大96kHz/24bitのPCMだが、AK70と接続した際には自動的にダウンコンバートされた。この切り替えはメニューでする。

本体だけでも十分高音質だが、USB DACを接続してアップグレードするといった拡張も楽しめる

 つなぎ先のUSB DACとしては代理店が同じアユートのCHORD「Mojo」などがおすすめだが、本体サイズの小ささという意味でスマホよりもマッチする。

OTGケーブルでUSB DACとの接続が可能になった

USB DACと接続する際のアイコンが追加されている

 AKシリーズというと、気付いたら高くてごつい製品ばかりになってしまったが、初代のAK100は低価格でコンパクト、さらに多機能を売りにした製品だった。AK70の販売価格は専門店などでは6万円を切る程度、ポイントがある量販店では6万円台前半といったところだ。まだ多少高価ではあるものの、内容を考えたら十二分な価値があると思わせる。

 価格と音質のバランスが良く。そして何よりも機能面での充実感が同価格帯の製品より一歩リードしている印象がある。特にバランス駆動にに対応している点はこのクラスでは大きなポイントになる。第2世代のAKシリーズの能力を発揮するために必要な要素であるのはもちろん、高級ヘッドホンのポテンシャルを余すところなく発揮するためには見逃せないポイントと言えるだろう。

個人的にはShureのKSE-1500の送り出し機として最適である点。iPhoneなどでは大画面化しすぎてちょっとアンバランスだった

 最後に個人的には、コンデンサーイヤフォンの「KSE-1500」のトランスポート用途としていいなと思った。KSE-1500はドライブするために専用のDAC兼アンプが必要になるのだが、サイズ的には大画面化が進むスマホより、いい感じにマッチする。

 ハイレゾを始めるならまず最初の選択肢に上がる製品と言っていいと思う。

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