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発表された「Aruba Mobile First Platform」とは、HPE Aruba ATMOSPHERE 2016レポート

「NWのコンテキスト」をパートナーにも開放、HPE Arubaの新戦略

2016年09月29日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 9月27日~29日、米HPE Arubaのプライベートカンファレンス「HPE Aruba ATMOSPHERE 2016」がシンガポールで開催されている。アジア太平洋地域(APAC)から、およそ1500名のパートナーおよび顧客が参加している。

1日目の基調講演に登壇したArubaプレジデントのドミニク・オー(Dominic Orr)氏(左)、Aruba共同創設者でCTOのキルティ・メルコート(Keerti Melkote)氏

 米HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)による買収(事業子会社化)後、APACでは初開催となる今回のATMOSPHEREでは、今月新たに発表した「Aruba Mobile First Platform」を中核として、ユーザーやデバイスのコンテキスト情報を活用するサードパーティのエコシステムを拡大していく方針が強調された。

会場はマリーナ・ベイ・サンズのカンファレンスセンター。展示ゾーンには、小売店舗、教室、病院、ホテル客室、会議室などを模したソリューション体験ブースも設置

HPEによる買収から1年、変わったことと変わらないこと

 APACでのATMOSPHERE開催は、2014年12月の上海以来のこととなる。1日目の基調講演に登壇したHPE Arubaプレジデントのドミニク・オー氏は、この1年半あまりの期間は「Arubaにとって忙しい時となった」と振り返る。

 それはHPEによる買収と、それに伴う両社のネットワーク/SDN関連ポートフォリオや事業の統合だけでなく、R&D人員と投資の倍増、R&D拠点新設(バンガロール、北京)、そして営業人員も倍増と、積極的な拡大施策を続けてきたからだ。

Arubaにとってとても「忙しい」1年半だったとオー氏は語った

 「HPEファミリーの一員になったことで、Arubaは事業リソースも顧客リーチも増え、ソリューションもサービスケーパビリティも拡大した」(オー氏)

 その一方で、旧来のArubaが持っていた幾つかの企業姿勢は、HPE Arubaになっても「絶対に変えない」のだと、オー氏は言う。それは「カスタマーファーストの精神」であり、「オープンなシステム」や「イノベーションの継続」である。

 こうした結果、オー氏が1年前に設定した「モビリティ関連事業で年間10億ドル」というマイルストーンを達成できた。同時に、顧客やパートナーが参加する技術コミュニティ「Airheads」の参加者も、ワールドワイドで4万9000人にまで成長したという。

モビリティビジネスで年間10億ドルのマイルストーンを達成。「HPEとの統合を通じて、さらに2倍、3倍を目指したい」(オー氏)

 講演終盤で登壇したHPE APJエンタープライズグループSVPのフィル・デービス氏も、この1年間は今後のビジョンについてさまざまな議論を繰り返してきたと語り、「HPEが持つ過去の技術資産や顧客へのリーチと、Arubaのイノベーションとを組み合わせることで、すばらしいことが起こせるだろう」と、HPE Arubaに対する期待を述べた。

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