※筆者が、AppleよりiOS 10に関する、ベータ版の情報開示を受けて記事にしています。
9月16日に発売されたiPhone 7 Plus。先行レビューをさせていただいていましたが、米国では、まだ自分のiPhoneを予約すらできていません。冒頭からちょっと愚痴っぽくなってしまい恐縮ですが……。
筆者は2015年に発売されたiPhone 6s Plusを、Appleが「毎年最新のiPhoneに買い換えられる」という触れ込みのiPhone Upgrade Programを通じて購入しました。端末はSIMフリーで自分の好きなキャリアを選ぶことができ、支払いは24回分割で月々払い。
12ヵ月支払えば残債なしは下取りで相殺というかたちで乗り換えられるため、実質的に毎年半額で最新のiPhoneを買える仕組み。かつAppleCare+でもしもの時も安心。
非常に魅力的なプランじゃないですか。
2016年のiPhone 7 Plusへの乗り換えで、初めてその真価を発揮する時が来たわけです。ところが、理想は理想……でした。Appleで予約を開始した9月9日、サイトにつながらずもたついていた間に在庫はすべてなくなっていました。通常のキャリアモデルの購入分があっても、です。
そして発売後、筆者が契約しているT-Mobile向けのiPhone 7 Plus 128GBは、ローズゴールド以外の在庫が出てきません。ジェットブラックじゃなく、普通のブラックでも良いのですが……。
iPhone Upgrade Programの場合、店頭での下取りの手続きもあるため、郵送での購入はできません。また、米国ではキャリア向けの流通量を潤沢に整えることが先決だったらしく、Apple StoreでSIMフリーモデルを利用するiPhone 7 Plusはぜんぜん回ってこない状態です。もう、気長に待つしかないのでしょうか。
iPhone 7 Plusのポートレートモード
さて、そうこうしているうちに、iOS 10.1の開発者向けプレビュー、パブリックプレビュー向けのベータ版が配信されました。
iPhone 7 Plusに導入すると、アナウンスされていたカメラのポートレートモードが「ベータ版」として利用できるようになりました。
iPhone 7 Plusの写真撮影では、28mm/f1.8、56mm/f2.8の2つのカメラを駆使して、最大10倍ズームまでの撮影を行うことができます。
ただ、色々検証してみると、必ずしも「2x」ボタンを押したからといって、望遠レンズが使われるわけではなく、センサーサイズが大きく、f1.8の明るさ、光学手ぶれ補正を内蔵する広角レンズを使うシーンもあります。
そんな中、ポートレートモードは、強制的にプレビューを望遠レンズに切り替え、被写体以外の背景をぼかす効果を、シャッターを押すだけで実現してくれる仕組みです。
9月7日の発表会では「ポートレートモード」で得られる写真には「Depth Effect」という言葉で動作状況が表示されますが、日本語では「被写界深度エフェクト」という言葉が用いられ、撮影された写真には「奥行き効果」という表示がなされます。
「マヂか!」と口を突いた
ポートレートモードで撮影した写真を見たとき、小見出しの通り、「マヂか!」と驚きの声を上げてしまいました。
手の平に載せた落ち葉、プールサイドで撮影したApple Watch Series 2、公園のシーソー、コーヒーのカップ……。被写体はくっきり、背景はボケるという効果を、本当にシャッターを切るだけで実現してしまうのでした。
なんとも印象的な写真が、パッと仕上がる。これには驚かされました。
撮影には若干のコツが必要で、十分な明るさがあること、被写体から240cm以内であること、近すぎないことなどが、撮影時に画面で指示され、被写界深度エフェクトがONになることをプレビュー画面で知らせてくれます。
HDR撮影のように、シャッターを切ってから画像が保存されるまで1秒ほどかかり、ボケみを楽しめる写真ができあがる、という仕掛けです。この写真、理想的ですが、若干の気持ち悪さもあります。もちろん良い意味ですが。
筆者の手元には、愛用中のカメラ富士フイルムX-T10と、これに組み合わせるXF35mm/f1.4の明るい単焦点レンズがあります。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、このレンズで写真を撮ったときのように、iPhone 7 Plusのポートレートモードはダイナミックに背景がボケるのです。
気持ち悪さの理由ですが、もし被写体近くで明るい単焦点レンズを解放で使うと、たとえば鼻先にはピントが合っているけど耳には合っていない、ということも起き得ます。しかしiPhone 7 Plusの場合、被写体はくっきり、背景はボケる、という状態なのです。
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