舞台は琵琶湖、乾電池で固定翼航空機が飛んだ最長距離のギネス記録に挑戦
今度は乾電池で有人飛行! ギネスに挑戦「エボルタチャレンジ2016」
2016年09月26日 20時00分更新
パナソニックは、同社の乾電池「エボルタ」の長持ち・パワー実証実験として、エボルタを動力にしたロボットにグランドキャニオンを登らせてみたり、単1のエボルタ600本で世界最長距離鉄道走行(22.615km、所要時間2時間47分9秒)を達成したりと、さまざまなチャレンジに挑戦してきた。そして今回、なんとエボルタを動力とした機体で世界最長距離の有人飛行を行ない、ギネス世界記録の取得に挑戦するというのだ。
パナソニックは9月26日、「エボルタチャレンジ2016」の説明会を開催した。エボルタチャレンジ2016では、東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・人力飛行機チームの51名の学生が設計・開発した機体を使用し、動力には単3のエボルタを採用する。舞台は、琵琶湖。彦根港から飛び立ち、「一次電池(乾電池)で固定翼航空機が飛んだ最長距離」のギネス記録取得を目指すという。
説明会では、パナソニック アプライアンス社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部の黒木 友揮氏と、今回のチャレンジのリーダーで、東海大学 工学部 動力機械工学科の東海林 聡史さん、パイロットを務める工学部 航空宇宙学科の鷹栖 啓将さんが登壇し、エボルタチャレンジ2016の概要や、使用する機体について説明した。
今回製作された機体は、翼幅が26.2m、全高3.35m、全長7.1mで、重量は約77kg。機体の材質は、炭素繊維強化プラスチック、発砲スチロール、木材などを使用している。単3のエボルタは現在500本前後使用しており、テスト飛行の結果によって数の増減を決めるとのことだ。
東海大学チャレンジセンター・ライトパワープロジェクト・人力飛行機チームは、普段は人力飛行機の設計・製作を行なっているが、今回は動力に乾電池を採用するため、より揚力が必要となる。そこで、従来の人力飛行機より翼の面積を1.5倍大きくしたという。また、駆動効率が高く操作性も高いという低翼機のデザインを採用しているのも特徴だ。
設計と製作は、翼班、フレーム班、プロペラ班、カウル班、電装班、駆動班の6つの班に分かれて担当。鷹栖さんによると、主に夏休み期間を使用して設計・製作をこなし、1日中作業に費やす日も多かったという。また、授業が始まってからは授業が終わった後などに時間をつくって作業しているとのことだ。
最後に、東海林さんは「やるからには必ず成功させるようにがんばりますので、ぜひ声援をお願いします」と述べ、鷹栖さんは「今回は電池の力で飛ぶということで、いつもとは異なる新たなチャレンジとなりますが、頑張りますので応援よろしくお願いします」と挨拶し、発表会を締めくくった。
エボルタチャレンジ2016は、これからテスト飛行を繰り返し、11月3日に本番を迎える。完璧な調整のもと、ぜひ10km以上の飛行に成功し、ギネス記録達成となることを願っている。