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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第131回

GitHub Universe 2016:デベロッパーの働き方を一般に広める

2016年09月22日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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求めるのは効率性だけではない

 GitHubを社内で活用している企業を代表して、LINE、ウォルマート、IBM、ブルームバーグが登壇するセッションがありました。

 LINEは、グローバルな展開の中で、数多くのアプリをリリースする非常に活発な活動を、GitHubが支えていると言います。バグを減らすだけでなく、また同僚に配慮しながら和やかな雰囲気を作っていく点で役立っているといいます。

 またブルームバーグでは、世界で5000人いるエンジニアがもともと持ち合わせていたイノベーションの土壌を、GitHubの上で顕在化させ、ゲームのように競い合いながらオープンな開発に参加していく環境を作ったそうです。

 こうした話を聞くと、必ずしも効率性を追い求めるだけでなく、GitHubが持つコミュニティ形成の性格を活用しているようです。

時代に合った働き方

 コミュニケーションのツールはいくらでもあるし、コラボレーションの環境だってたくさんあります。それでもGitHubが選ばれるのは、GitHubの上で仕事環境が完結する仕組みのおかげかもしれません。

 GitHubが作り出したプルリクエスト機能は、お互いのコードを確認しあい、コードについて会話をする仕組みを提供してくれます。絵文字などを利用しながらのエモーショナルなやりとりは、職場を活き活きさせるといいます。

 GitHubが作る職場環境は、エンジニアでなくても、現在の、コラボレーションを主体としたモダンな仕事のスタイルに合っているのではないかと思います。

 「オープンでフラット」を目指しても、なかなか「努力目標」だけでは、既存の組織の仕組みを打破するには至りません。

 オープンソースコミュニティでの経験を引き継ぎ、社内での仕事に生かすことができるGitHubが重宝される理由は、そこにあると言えるでしょう。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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