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秋田の地場企業が考えた地元を元気にするIT

車社会・飲酒大国秋田のニーズを汲んだ運転代行アプリ誕生秘話

2016年09月12日 11時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月10日、秋田市で行なわれた東北のITイベント「東北IT物産展2016 in 秋田 」のきりたんぽトラックで登壇したのは、地元企業のトラパンツの関翼さん。地元の課題にマッチした運転代行アプリがどのように生まれたのかをゆるく語った。

トラパンツとTSUBERについて語る関翼さん

車社会で酒の消費量の多い秋田ならではの運転代行アプリ

 セッションを行なった秋田横手出身の関翼さんが所属するトラパンツは「AKITAをCREATEする企業」としてWebサイトや印刷物、映像、イベント企画などを手がける秋田の地場企業。秋田県のWebサイトを始め、地元企業のさまざまなシステム構築を請け負うと共に、「体験型謎解きイベントゲーム」や「ベルギービールフェスタ」などの自社イベント、「虎の穴」の勉強会、リクルート企画なども行なっている(社名からして)ユニークな会社だ。そんなトラパンツが開発しているのは、関翼さんの名前にあやかったコードネーム「TSUBER」と呼ばれる運転代行アプリだ。

秋田県のサイトなどを手がけるトラパンツ

 運転代行とは、飲酒した人を自宅に送るべく、車の運転を担当するドライバーを手配するロードサービス。(Wikipediaによると)1980年頃に秋田で発祥したと言われており、2002年に道路交通法改正(飲酒運転の厳罰化)で、より需要が高くなっているという。秋田はそもそも車社会なのに加え、岩手県と並んで酒の消費量が多く、運転代行の需要も高い。しかも高齢化率が非常に高く、ドライバーの高齢化や人口減少の人材不足も課題。こうした課題に対して向き合ってできたのがTSUBERになる。

首都圏以外では非常にメジャーな運転代行のサービス

 通常、運転代行を利用する場合、まずは使い慣れた代行を頼むが、配車に時間がかかるのが課題。「待ち時間があまりにも長くなり、夜が更けてしまうと、結局タクシーで帰って、あとでパーキングに置いた車を取りに行かなければならない」(関さん)。実際、トラパンツ社内でも運転代行の利用率が高かったという。「毎月2回くらいの呑み会で、毎回代行を呼んできた。でも、50分とか待ち時間が長かったので、これをイノベーションしたいと考えたい」と関さんは語る。

呼ぶだけ簡単な運転代行アプリ!トラパンツ代行で実証実験

 こうして生まれたTSUBER。使い方は簡単で、(泥酔した?)ユーザーがTUSBERのアプリで自身の車の位置と帰る場所を指定すると、まずは料金が表示される。「自宅の場所はあらかじめ登録しておけますが、自宅じゃなくてもOKです(笑)」とは関さんの弁。料金に納得し、「呼ぶ」をタップすると、最寄りの代行会社に利用者情報が通知。リクエストを受けた代行会社がドライバーを差し向けるかどうかを確認すると、ユーザー側にはドライバーの顔写真と到着時間が表示されるので、あとはドライバーと随伴者を待ち、車で自宅に帰ればよい。

目的地までの金額に納得し、呼び出すと、最寄りの代行業者に通知される

 TSUBERのメリットは、まず安心して頼めること。「酔ってるといくら払ったかわからない。でも、クレジット決済なので、車に乗って、降りるだけ」と関さんはアピールする。また、地元の代行会社と協力することで、従来の運転代行の使い勝手をそのままに、不便な部分だけを解消するというねらいがあるという。もちろん、ドライバーの評価システムも盛り込まれており、ユーザーも安心して利用できる。

 現在、実証実験のためにトラパンツ自体も「トラパンツ代行」として社員全員がドライバー登録しているという。「社員全員が参加することで、プロジェクトを盛り上げる意図がある」(関さん)とのことで、社長も積極的にアピールしている。運転代行という身近なサービスのアプリということで、セッション終了後の会場では「女性のためには住所などが出ない仕組みが必要では?」「値段は複数の代行会社で均一になるのか?」「現金決済の対応予定は?」などさまざまな質問や意見が飛び交った。リリースは2017年春の予定で、実証実験と地元の代行業者との交渉を進めるという。

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