IANAが登録を管理する「Well-Known Schema」
URIは、インターネットで利用される一般的な技術であるため、汎用性の高いスキーマ(プロトコル名)は、IANAが登録を管理し、プロトコルとスキーマの関連付けを管理している。このように登録された項目をインターネット関連技術では、「Well-Known」(よく知られた)と表現する。
URIスキーマについてもWell-Known URIとして登録されたもののリストがあり、以下のURLで公開されている(http://www.iana.org/assignments/uri-schemes/uri-schemes.xhtml#uri-schemes-1)。
このページからHTTPのような著名なスキーマに関しては、これを定義している文書などを探すことができる。ただし、登録されたすべてのスキーマに関して文書が用意されているわけではなく、一部プライベートなURIスキーマも定義されている。
たとえば、マイクロソフトは、ms-excelなどのスキーマをIANAに登録しているが、ms-settings-workplace(ワークプレースの設定機能を開くプロトコル)が登録されているものの、情報には、
This scheme is for private use on specific devices, and SHOULD NOT be used on the open Internet
このスキーマは、特定のデバイス上でのプライベート利用のみで、開かれたインターネットで使わないほうがよい(利用は推奨されないが禁止ではない)
という記載がある。
さて、mailtoのようなスキーマに関しては、ドキュメントを見ることでパラメーターの指定方法を知ることができる。mailtoは、RFC6068で定義されている。RFCは、インターネットで標準的に使われるプロトコルやフォーマットなどを定義しているもので、このRFC番号で検索すればドキュメントを探すことができる。
RFC6068によれば、mailtoスキーマでは、メールアドレスの後にヘッダ情報を追加できる。たとえば、
mailto:User@example.com?Subject=Test&Bcc=user2@example.com
などとすることができる。
実際、Windows10のコマンドラインからやってみると、クオートで括る必要はあるが、以下のように指定すると、標準のメールアプリでメッセージ作成ウィンドウが開き、サブジェクト、宛先、BCCが設定状態になる。
start mailto:"shioda@example.com?subject=test&bcc=user@example.com"
なお、メールソフトを自分でインストールしている場合には、インストールしたメールアプリが起動し、URIの解釈は、そのアプリが行なうことになるので注意されたい。
プロトコル起動は、データファイルの存在とは無関係に対応するプログラムの起動が可能だ。特にデスクトップから、UWPアプリを直接指定でき、コマンドラインやショートカットからの起動に利用できる。スタートメニュー、画面以外からUWPアプリを起動したい場合に応用が可能だ。
また、アプリによっては、パラメーター(URIの後半部分)による制御もでき、この点ではタイルよりも便利だ。ユーザーフォルダ以下のスタートメニューフォルダ(%Userprofile%\appdata\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs)にパラメーターを含むURIを入れたショートカットを作成することで、UWPアプリが「すべてのアプリ」から起動できるようになり、これはタイルとしてスタート画面に登録することも可能になる。

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