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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第13回

完結に向かうダンガンロンパ/がんばるNEW GAME

前作を追う独走ラブライブ~今年も熱い2016年7月期アニメの二次創作

2016年08月01日 19時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/ASCII.jp

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未だ人気の高いDグレ/人気拡大中のモブサイコ・ツキウタ

 pixivでは「D.Gray-man HALLOW」がラブライブ・ダンガンロンパに次いで投稿数3位。ほか「モブサイコ100」「SERVAMP‐サーヴァンプ‐」の投稿が多いです。特に「モブサイコ100」は放送後投稿数が急激に増加。また「ツキウタ。 THE ANIMATION」「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」「B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~」「美男高校地球防衛部LOVE! LOVE!」「Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ドライ!!」「この美術部には問題がある!」などで放送後の投稿数の増加が見られます。

 「D.Gray-man HALLOW」は元週刊少年ジャンプ連載作の新アニメ化。もともと女性人気の高かった作品で、当時からのファンが再燃したのか、放送初週に劇的に投稿されました。ただし以降の投稿は減っています。

 R-18イラストはほぼなしで投稿者はやはり女性が多く9割。海外からの投稿も3割ほどあります。

 キャラでは主人公の「アレン・ウォーカー」の投稿が多く、男性キャラでは今回取り上げた中でトップです。ほか人気の高い男性キャラの「神田ユウ」「ラビ」もよく描かれています。

アニメ「D.Gray-man HALLOW」より公式PV。原作は星野桂の漫画「D.Gray-man」。人間の魂を利用する悪性兵器「AKUMA」と、イノセンスを操る主人公たち「エクソシスト」の戦いを描く作品。2004年から2009年まで「週刊少年ジャンプ」で連載、その後掲載誌を移しながら現在は「ジャンプSQ.CROWN」で連載中。前シリーズは2006年から2008年まで放送のためほぼ10年ぶりとなり、声優陣も変更されている。

 「モブサイコ100」はワンパンマンの原作でも知られるONEのマンガ作品のアニメ化。

 R-18イラストはこちらもなしで投稿者も9割が女性。3分の1ほどが中国・台湾を中心とする海外からの投稿。

 キャラで人気があるのは主人公の「モブ」こと「影山茂夫」。このキャラは男性キャラでは「アレン・ウォーカー」に次いで2位の投稿数でした。ついで男性キャラの「霊幻新隆」がよく投稿されています。

アニメ「モブサイコ100」より公式PV。原作はONEの同名の漫画。目立たない中学生で超能力者の影山茂夫と彼を取り巻く出来事を描く。小学館のWEBマンガサイト「裏サンデー」にて連載中。ニコ動ではチャンネルにて最新話のみ無料配信。

 「ツキウタ。 THE ANIMATION」は2012年から始まっているキャラクター音楽CDの企画。12ヵ月にちなんだ男女のアイドルを人気声優とニコ動の有名ボカロPらの組み合わせで描いたシリーズで、今回は男性キャラのグループ「Procellarum」と「Six Gravity」のメンバーを中心にアニメ化しました。

 R-18イラストはあまりなく、投稿者はほとんどが女性。海外からの投稿者は2割ほど。

 キャラでは担当月なこともあり7月担当の「文月海」(CV:羽多野渉 ARTIST:ひとしずく×やま△)が多く、ついで9月担当の「長月夜」(CV:近藤隆 ARTIST:じょん)などのイラストがよく投稿されています。

アニメ「ツキウタ。 THE ANIMATION」より第1話の公式配信動画。原作は2012年からスタートのボカロP・声優コラボのキャラクターソングCD。ニコ動で著名なボカロPらが多数参加している。女性キャラもいるが男性キャラの人気が高く、今回は男性キャラ中心でのアニメ化となった。

 また今回海外投稿で際立つのが「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」。台湾伝統の人形劇「布袋戲」を現地のプロと日本のクリエーターがコラボした作品でアニメではないのですが、今回近い枠で放送されているので合わせて調査しています。

 日本ではほとんど紹介されてない文化に関わらずpixivで投稿が多いのが興味深いですが、特に投稿者の9割ほどが海外と、今回紹介した中でも特に海外投稿者の比率が高いタイトルです。やはりご当地の台湾からの投稿者が多いようです。投稿者は7割ほどが女性。R-18イラストはほぼありません。

 人気のあるキャラクターはヒロインの「丹翡」。また男性キャラの「凜雪鴉」などもよく描かれています。

布袋劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」より公式PV。布袋劇は台湾伝統の人形劇で、木製の人形に服を着せたものを人間の手で操るもの。東離劍遊紀を制作した霹靂社は布袋劇によるアクションドラマのビデオを80年代から作っており、台湾のオタク業界では非常に人気が高いようです。今回虚淵玄らニトロプラスのスタッフと日本の豪華声優陣がコラボして東離劍遊紀が生まれました。スピーディーな戦闘と実写とアニメが混ざったかのような美麗なキャラクターが魅力。


 今期作品でpixivでの投稿が多かったキャラクターは上述の通り10位まで「ラブライブ!サンシャイン!!」のAqoursの9名と「NEW GAME!」の「涼風青葉」。次いで男性キャラ1位の「アレン・ウォーカー」、男性2位の「影山茂夫」、以下「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」の「七海千秋」、「この美術部には問題がある!」の「宇佐美みずき」、「NEW GAME!」の「滝本ひふみ」、「甘々と稲妻」の「犬塚つむぎ」など。

 R-18イラストが多かった作品は投稿数自体が多い「ラブライブ!サンシャイン!!」のほか、「Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ドライ!!」「NEW GAME!」「食戟のソーマ 弐ノ皿」など。目立ったところでは「魔装学園H×H」は半数がR-18イラストとアニメの内容通りの傾向。「アンジュ・ヴィエルジュ」も3分の1ほどがR-18イラストです。

 キャラ別ではラブライブの「津島善子」「渡辺曜」「桜内梨子」(次点で「NEW GAME!」の「涼風青葉」)などでR-18イラストが多いですが、投稿数自体が多いためで比率としては低いです。R-18比率の高いキャラとしては「Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ドライ!!」の「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」(2割がR-18)や「クロエ・フォン・アインツベルン」(3分の1がR-18)、「Rewrite」の「飯田小鳥」(こちらも3分の1)、「魔装学園HxH」の「ユリシア・ファランドール」(投稿の7割がR-18イラスト)など。

 性別ごとの投稿者数では「ラブライブ!サンシャイン!!」がやはりどちらもトップ。男女ともに人気のある作品です。

 ほか男性では「NEW GAME!」「この美術部には問題がある!」「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」「Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ドライ!!」「甘々と稲妻」など、女性では「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」「D.Gray-man HALLOW」「モブサイコ100」「SERVAMP‐サーヴァンプ‐」「ツキウタ。 THE ANIMATION」「アルスラーン戦記 風塵乱舞」などの投稿者が多いようです。

7月開始アニメの主な15作品の関連タグについて、7月1日スタートで7日間ごとで区切ったpixivでのイラスト投稿数をグラフにしたもの

人気の作品はニコ動もpixivも伸びる~7月アニメの二次創作

 今回は「ラブライブ!サンシャイン!!」が大ヒット。作中にも似たようなセリフがあるようにやはり前作のヒットの影響は大きいものの、前作の人気を維持してる点でも十分期待。ただやや投稿数の減少が見えるのが気になるところ。

 また「未来編」「絶望編」の2タイトルを同時に放送中の「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」が今回調査中に大きく拡大しました。今回はゲームで描かれないオリジナルストーリーの完結編とあり、ファンの注目が高いようです。

 初アニメ化作品では「NEW GAME!」がネット人気を受けてヒット。ゲーム会社の会社員を描く作品とあって、やわらかく描かれるブラックな就業状況などについても注目が集まっていますが、男性投稿者を中心にヒットしています。初アニメ化では「この美術部には問題がある!」も好評でニコ動・pixivともに毎週投稿が増えています。

 「D.Gray-man HALLOW」「ベルセルク」など過去にアニメ化された作品が再度アニメ化される例も目立ちました。それぞれ原作マンガファンや旧アニメからのファンから注目され、初週は投稿も多かったです。ただし以降はあまり伸びず人気の再燃に留まり、「おそ松さん」のように新たなファン層を拡大するところまでは至っていないようです。

 似たような傾向は「SERVAMP -サーヴァンプ-」や「Rewrite」など2010年代初頭にヒットしてから今回アニメ化となった作品でも見られ、それぞれ初速は高いものの投稿は大きくは増えていないようです。

 一方で「ダンガンロンパ3 The End of 希望ヶ峰学園」「モブサイコ100」「この美術部には問題がある!」「ツキウタ。 THE ANIMATION」「美男高校地球防衛部LOVE! LOVE!」などはニコ動・pixiv共通して投稿が伸びているタイトル。これらは今期注目作と言えるでしょう。

 「この美術部には問題がある!」以外は女性人気中心のタイトル。以前は女性人気寄りのタイトルの投稿数はニコ動ではそこまで伸びなかったのですが、描いてみた・MMDなどを中心に女性のキャラクター二次創作は年々増加しており、少しずつニコ動・pixivで伸び方が似てきているのかもしれません

 全体としては「ラブライブ!サンシャイン!!」の投稿が目立ちますが、それぞれにヒットがうかがえる作品もあり、今年も熱い7月アニメを楽しめるのではないでしょうか。

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