ポケモンGO、やっていますか?
筆者は米国のApp Storeアカウントで、7月7日にダウンロードしてプレーを始めたライトなトレーナーです。Ingressをプレーしていたこともあり、ポケモンGOに筆者が登録したIngressのポータルが「Pokestop」として採用されていてうれしかったです。
ポケモンGOの話題には、歩きスマホ、交通法規の無視、事故、敷地や建物への不法侵入といった事件や、おおざっぱに訳すると「なんか迷惑でむかつく」といった意見がつきまといます。
筆者は米国でPokestopが4つ、Gymが1つある公園でプレーし、東京出張の折、日比谷公園、渋谷界隈、そして代々木公園をプレーしながら取材しました。
米国での驚きを超える日本での状況
一番印象的だったのは、米国の夕暮れの公園に人があふれていたこと。普段なら治安の関係で、誰も出歩かないはずの公園に人があふれていました。0人が30人になって驚くなんて、米国生活5年目で人の密度の薄さに慣れきってしまったのだなあと思わされます。
日本でポケモンGOが配信され初めて迎えた初めての週末、24日の日曜日の午後に代々木公園を訪れてみると、米国の公園での驚きを返上したくなるような光景が広がっていました。
噴水の回りに群がる無数の人!
付近には5つ連なるPokestopがあり、ポケモンが30分間集まってくる「ルアーモジュール」(花びらが舞うアニメーション)が絶えず刺さり続けているのです。このモジュールは、自分だけにしか効果がない「おこう」と違い、他のプレイヤーにも恩恵があるため、他のプレイヤーも集まってくるのです。
ゲームの上ではポケモンが集まり、現実世界では人が集まる。公園で人が群がっているところに行けばモンスターがいる、とわかっていれば、スマホの画面を見ずに移動しても効率的にポケモン集めができるというわけです。
プレイヤーの行動パターンが面白い
ポケモンGOのために他人に迷惑をかけるべきではないし、自分もケガをすべきではない。この点はぜひ、皆さん徹底して欲しいと思っています。その上で、人々の行動がポケモンGOによって変化している様子は、非常に興味深く観察しています。
Ingressの頃は、なんとなく「あ、あの人はエージェントかな? 敵陣かな、自陣かな」なんて思いながら、Ingressの地図上のポータルと周りの人の位置関係を測りながら考えるのが楽しかったのです。
しかしポケモンGOの場合、よりたくさんの人が、同じ行動パターンを獲っていました。
ポケモンを見つけた場所で立ち止まってボールを投げ、歩きながらスマホの画面を横にスワイプしてPokestopを回している様子を見ることができました。これは渋谷駅周辺で見られた風景です。人が壁際に立ち止まっている場所には、レアなポケモンが出るかもしれないと一目でわかるのです。
一方、前述の代々木公園では、どちらかというと定置網方式。公園内かつルアーモジュール入りのPokestopの周辺、しかも噴水回りはすべてベンチで座れるという好立地から、座る場所を確保しそこでポケモンの出現を待ち続ける行動が効率的でした。
いずれの場合も、同じ行動パターンを採っている人たちを容易に発見することができ、なんとなく、その行動パターンがその場で再生産される。そんな光景が広がっていました。
確かにポケモンGOをプレイしていない人にとっては、その行動の意味や人の流れの理由を理解することはできず、「邪魔」の一言で片付けざるをえないかもしれません。
一方、プレイヤー感の結束は、現段階では固いように感じます。ポケモンGOでは、アイテムやポケモンを採集を進める場面が序盤にあり、対戦は後半の目標となります。その点で、今現在はできるだけ協力しながらプレイするフェイズで、プレイヤー同士の連帯感が強い時期だと思います。
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