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買収したARKINのネットワーク可視化機能も統合へ

マルチクラウド対応に進む「VMware NSX」の最新動向

2016年06月30日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月29日、ヴイエムウェアはネットワーク仮想化製品「VMware NSX」の最新動向に関する発表会を開催した。発表会に登壇した米VMwareのグイド・アッペンツェラー氏は、グローバルでの実績をアピールすると共に、マルチクラウド対応の方向性を披露した。

340社以上の本番環境で導入済み

 米VMware ネットワーク&セキュリティ担当 CTOのグイド・アッペンツェラー氏は、コンピューターとネットワークの進化について比較する。コンピューターはベンダー固有のハードウェア・ソフトウェアからクライアント/サーバーに移行し、現在はクラウドの時代に移っている。しかし、ネットワークはこうした流れに追従していない。アッペンツェラー氏は、「ネットワークは長い時代、メインフレームと同じモデルだった。単一ベンダーの垂直統合型システムになっている」と指摘する。

米VMware ネットワーク&セキュリティ担当 CTOのグイド・アッペンツェラー氏

 これに対して、ハードウェアとソフトウェアを分離し、ネットワークの仮想化を実現するのがVMware NSXに代表されるSDN(Software Defined Networking)になる。現状、VMware NSXを導入した企業は約1400社におよび、本番環境での導入も340社以上にのぼっているという。

グローバルでは1400社が導入し、340社以上が本番導入済み

 現状、VMware NSXは大きく3つの用途があるという。まずはネットワーク設定の自動化を実現することだ。コンピュート、ストレージ、ネットワーク、各種のサービスなどのインフラをブループリントとして定義し、迅速にインフラをプロビジョニングすることが可能だ。また、複数のデータセンターにまたがって、アプリケーションをマイグレーションできるDRの用途、ユーザー環境を保護するためのセキュリティの用途も大きいという。セキュアなネットワークセグメントであるDMZをどこでも展開できる「DMZ Anywhere」も可能になっている。

 NSXを導入した企業は、さまざまな業種・業態に拡がっており、構築・運用の自動化やマイクロセグメンテーションによるセキュリティの確保、データセンターの高可用化などを実現することで、コスト削減や生産性の向上を実現しているという。

NSXをクラウドに延伸する

 最近では可視化ツールを提供するARKINを買収しており、物理・仮想のネットワークの統合をより強化していくという。ARKINでは、さまざまなデバイスの構成情報と通信データをキャプチャし、データモデルを構築。各ノード間の通信状態や過去の障害状態をユニークなGUIで表示できる。

ユニークなGUIでネットワークを可視化するARKIN

 今後の方向性としてアッペンツェラー氏は、マルチクラウドの対応が重要になると指摘する。「NSXを拡張し、複数のクラウドを網羅しようと考えている。AmazonやAzure、Googleにも対応していく予定だ」と語る。米国で増えているマルチクラウドのニーズに応え、VMware NSXの機能を用いて、異なるクラウドとプライベートクラウドを統合管理できる環境を提供する。

AWSやAzure、Googleなどマルチクラウド対応を推進するNSX

 さらに、さまざまなエンドポイントをヘテロジニアスに接続する環境を使うDockerやCloudFoundryなどの新しいアプリケーションフレームワークへの対応、今後はSD-WANやIoTへの対応も進めていく。

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