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高橋幸治のデジタルカルチャー斜め読み 第25回

「Rez」生んだ水口哲也語る、VRの真価と人の感性への影響

2016年06月10日 10時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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VRの真価は3Dが引き起こすインタラクティブなイリュージョン

高橋 水口さんがプロデュースを手掛けた音楽ユニット「元気ロケッツ」なんかも、まさに共感覚的な体験のエンターテインメント化を目指されていたんじゃないですか?

水口 まさにそうですね。音楽と映像というものをいかに共感覚的に融合させるかというね。あれは僕にとってはかなり貴重な体験であり重要な実験だったんです。ソニーの技術を使って3Dビデオを作ったり3Dライブをやったりしたんだけど、そのときに3Dで共感覚的な体験を作れるということを確信したんだよね。

 だからVRの可能性って“実際に現地に行かなくてもその場にいるような体験ができる”とかいろいろあるとは思うんだけど、僕にとっての最大の魅力は、“3Dが引き起こすインタラクティブなイリュージョンの体験”なんですよね。

水口氏がプロデュースを手掛けた音楽ユニット「元気ロケッツ」の「make.believe」(2011年)の3D PV

高橋 お話をうかがうほど思うのは、水口さんにとってアウトプットは別にゲームじゃなくてもいいんじゃないですか?

水口 うん、なんでもいい(笑)。体験を創造したいだけだから。

高橋 だから、最近は特にゲームデザイナーとかゲームクリエイターという肩書きもご本人的にはあんまりしっくりきていんじゃないかと(笑)。

水口 うん、ずーっときてないね(笑)。高橋くんなんかはVRを巡る現状や未来をどう予測してますか?

高橋 僕はいまはまだハードウェアを中心としたデモンストレーションの時期なんだろうと思っているんです。ハードウェアとしての可能性を示して、やがてとんでもないソフトウェアが出現してくるの種蒔きの期間とでもいいますか……。

 なので先ほど水口さんもおっしゃいましたが、僕もVRに期待するのは“この場にないものがとてもリアルに見える”とかそういうことではないんですね。たとえば僕らのいまの五感のチューニングを組み替えてしまうような、僕たちがいま存在している世界を相対化してしまうような、現状まったく想像も付かないようなものですね。

 だからVRの本格的な幕開けというのは実はもうちょっと先で、人間に新しい知覚のマッピングを導入するようなレベルまでいくでしょうし、ぜひそこまでいってほしいですね。

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