公益社団法人東京都山岳連盟と日本山岳救助機構合同会社は5月30日、ドローンを用いた山岳遭難者の捜索技術を開発したと発表した。
第三次登山ブームといわれるほど近年になって登山者の増加が著しいが、山岳遭難も増加しつつある。東京都山岳連盟と日本山岳救助機構合同会社(jRO)では、ドローン(マルチコプター)を活用した山岳遭難の技術と実用性の検討を行ない、関東の丘陵地帯や富山県や山梨県にて実証試験を実施した。
実験では空撮ドローンからのカメラ映像からの捜索に加え、jROが会員向けに貸出を行なっているビーコン装置「YAMA MORI(ヤマモリ)」を用い、登山者が携帯する子機(電波発信機)からの電波を飛行するドローンで受信できるかどうかも検証した。
複数回の実験を行なった結果、ドローンによる山岳遭難の捜索は「きわめて有効、かつ実用的」であることを確認したという。東京都山岳連盟とjROでは、この結果を全国の多くの山岳関係者や捜索関係者に紹介するため「ドローンによる山岳遭難捜索技術開発報告書」を発表した。
さらに、この報告書を基にした「山岳遭難・ドローン捜索マニュアル」を発行した。報告書およびマニュアルを希望する人や団体にはjROに申し込めば送付される(切手代1280円封入による郵送申し込み)。