オリジナルソフトでパソコンの使い方を提案していく
── 夏モデルの目玉となったソフトに“LAVIEチャンネル”があります。
LAVIEチャンネルは、ネットの動画視聴がいろいろと拡大していく中で、いぜんとしてパソコンで見ているお客様が多いという点に注目した製品です。一方でパソコンで動画を見るといっても、なかなか十分に活用しきれないなと感じている人もいる。だからNECとして利用できる環境を提案したいと思って開発しました。
── スマホや別の機器と連携する中心にパソコンを置くことにも注力しているように見えますが……。
モバイル系デバイスも出てきていますし、クラウドもあります。意識するしないにかかわらず、パソコン単体で動くことはなくなってきています。マルチデバイスをどうつなげて、どう簡単にしていくかが我々の課題ですね。例えば、スマホで撮った写真や動画をパソコンに取り込むという当たり前のことに意外と苦戦することが多いと思います。microSDを抜いてコピーしてっていうのが原始的なところではありますが、我々はソフトでそれをもっと簡単にしたいと思っています。
── それは感じますね。意外と面倒な場合がある。
クラウド連携についても分かっている人は便利に感じるかもしれないですが、そもそも気付かないという人も多い。
── ソフトの新機能を既存ユーザーに対して提供しますか?
現時点過去機種のために配布はしていないので、今年の春モデル以降の方が対象となりますが、春モデルのユーザーに対して、夏モデルで追加された新機能をアップデートできるようにはしています。タブが追加されます。
Windows 10の無償アップグレードはメーカーの目にどう映ったか
── 話が変わるのですが、PC市場にはOS選択に関して少し混乱があるような気もします。Windows 7をどうするか、数年使ったパソコンをWindows 10にすべきかなど。
企業では継続性が大事なので、過去のOSのサポートが重要になると思いますが、個人向けではWindows 10が市場の70%ほどになっており、われわれも新規出荷では100%です。Windows 10自体はWindows 8からの切り替えも、Windows 7からの切り替えもスムーズにいくOSではないかと思っています。
── 無料アップデートによる混乱はありましたか?
われわれにとっても新しい経験でそれなりに準備は必要でしたが、基本的なやり方は変わりません。ただし有料アップグレードでは、お客様の積極的な意志でOSをバージョンアップしていたのに対して、今回は、一応はお客様の意志でとなっていますが、無料アップグレードということもあり、過去どこまで対象とするかなど対応が必要でした。
── サポートなどに問い合わせはありませんでしたか?
アイコンなどが突然表示されるようになったことに対する問い合わせはサポート窓口にあったようですね。マイクロソフトさんとは連携しながら対応してはいるのですが。
ただしメーカーとして一番安心な方法は、始めからWindows 10をプレインストールした製品を買ってくださいということになります(笑)。半分冗談に聞こえるかもしれませんが、最新OSに最適化して常に新製品を作っているという面もあります。Windows 10のアップグレードは可能な限りのサポートをしますが、Windows 10をフルに使うのであれば、最新の機種が一番という思いはありますね。
── Windows 7が動く機種からなら移行が可能といっても、すでに3~4年たち、ハードウェアのデバイスもいろいろと変わっていますからね。