後半では山下氏にNEC PCの2016年モデルの狙いについて聞く。春にFristaやLAVIE Hybrid ZEROの新モデルを投入。5月発表の夏モデルではバリューノートのマイナーチェンジを図ると同時にアプリケーションの強化を実施している。
── 2016年の春・夏モデルの注力ポイントは。
春モデルではハードの新商品を多く投入しました。例えば、Hybrid ZEROの11インチです。従来機種が打ち出した13インチでの世界最軽量に加えて、11インチでも世界最軽量のタブレット、2in1をリリースしました。Fristaのデザインを一新したほか、23インチの一体型モデルも出しています。さらに、夏モデルでは15インチのエントリー筐体をブラッシュアップしました(LAVIE Note Standard NS150/NS100)。オールインワンノートとして、皆様に使っていただける定番的な製品となります。
ソフト面では、インフォボードなど、作業やウェブブラウズ以外にも、長時間パソコンを利用してもらうための試みを積極的に進めています。Fristaはそのコンセプトを実現するための商品として提案しています。また少し視点が異なりますが、LAVIE Hybrid ZEROも軽くすることで、より長時間使っていただけるようになる。このようにどうすればパソコンを長時間使ってもらえるか。そんな思いを込めて製品を開発しています。
特にFristaについては大画面が生かせるでしょう。インフォボードとセットで使うことで、Frista登場時のコンセプトがさらに深化したといえます。
── 最近のパソコンはモデルチェンジの間隔が長くなり、活気がなくなってきているようにも思えます。NECレノボは国内シェアTOPのメーカーとなりますが、市場の雰囲気についてはどう考えていますか?
当社としては開発の手を緩めている感じはありません。インテルのCPUが大きく変わるタイミングを意識しながらおおむね年に1回は新筐体を出していく形で開発を進めています。これは変わっていないですし、途中途中の強化についても、CPUを変えたり、ソフトも最新のものを追加しています。
一方商品群としても、ボリュームゾーンの15インチだけではなく、モバイル系の商品を出したり、Fristaのような新コンセプトに取り組んでみたりと、緩めることなくやっているつもりです。
── 少し聞き方を変えます。ハード中心の進化からソフト主軸の進化へと変わってきている側面はないでしょうか?
確かにそういう話はあります。パソコンとしてハードの進化・強化は大事ですが、お客様により利用してもらうためには、もっとパソコンの良さを伝えなければいけません。メーカーからの提案が必要です。パソコン自体のポテンシャルはあるので、デジタルライフを豊かにするために、単純な箱ではなく、アプリケーションをセットにした提案が必要になるでしょう。