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NEC PCはパソコン市場をどうとらえているか

なんでもできる箱だけなら、いずれパソコンは消えてしまう

2016年06月06日 13時00分更新

文● 編集●ASCII

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提案がないと、器用貧乏なパソコンは消えてしまうかもしれない

── 5年後となるとハードウェアの基本性能のアップだけではなく、概念にも変化が生じてきそうです。

そういう意味では「5年後はこうなっている」というアイデアがあるわけではなく、ブレインストーミングに近い状況です。例えば皆さんがよく口にする“IoT”ですが、具体的にどういった概念が出てくるのだろうかとか。パソコンがパソコンでなくなったらどうなるんだろうかなど。今のパソコンはOfficeを使ったり動画を見るためのものですが、生活に密着した道具として常時オンにしてもらうにはどうするか、などです。

── 今のパソコンが担っている領域をどう広げるか、パソコンとはまったく違う領域にチャレンジする。2つの方向性があると思いますが、重視するのはどちらですか?

いま思っているのはパソコンの持っているコンピューティングパワーがより必要とされる世界が確実に来ます。しかし正当な進化だけでない。いろいろな機器とつながり、いろいろなデータが見られるようになって、いろいろな切り口でそれを活用していかなければならない時代がくる。その時にパソコンがどうあるべきかということです。それはキーボードとディスプレーが付いた、今のパソコンではないかもしれない。

── クラウド化が進んで、人工知能なども脚光を浴びるようになってきました。そういう時代に手元にあるデバイス=パソコンで何をやるかは再定義する必要がありますね。

やっていかないといけないことだと思います。そうしないと何でもできる道具ですよと言いながらパソコンは消えていくかもしれない。

インフォボードはNEC PCにとって重要な意味を持つソフト

── 書類を作ったり、メールでコミュニケーションをとったり。パソコンが必要なビジネスは存在します。しかしそういうビジネスが今後、どの程度存在するかがわからない。

データがクラウドに格納されて、処理もそちらで済ませてくれるなら必要なのはディスプレーだけです。あとは何もいらなくなる。だからBack to Basicsで、基本に立ち返り、何がパソコンでできるのかという時間軸で切りながら考えようとしています。いま何ができるのか、そして2年後には何をしていくのかといった形です。

例えばNEC PCの2016年モデルには、インフォボードという機能が入っています。夏モデルでは、ここにメモ帳のような機能を入れて進化させました。例えば内蔵カメラで伝言メモを残すといったものです。これ自体は、昔からある、特別目新しいものではないですが、ボードの上に集約することで、使う機会を増やし、正当な進化を続けていこうと考えています。朝起きたら、日本のほとんどの人はテレビをつけて天気や沿線の情報を得ます。同じようにインフォボードの画面を見るようにしたい。情報を集約していく。こういった当たり前のことを当たり前のようにできるようにする。

── 大きな画面があるのだから、それを高頻度で使えるようにしようということですね。

はい。そしてこのインフォボードを進化させ、将来はポータル的に、様々な機能につなげていこうと思っています。パソコンは“何でもできる箱”ですが、実際は分かっている人が使いたいように使っているだけのツールにとどまっているということ。生活の一部をパソコンに置き換えたらこうなるんですよというメッセージが欠けている。家の四隅に無線カメラを置けば、家の周りも見られるし、監視もできます。でも普通の人にはどうすればいいかわからない。具体的にこうつないで、こう使えばいいというのを示す。さらに、見られるというだけではだめで、外出中にペットの様子が確認できるとか、お母さんが家事の合間に赤ちゃんの様子を眺めるとか、そういう具体的な提案が必要です。

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