PC水冷化に必要な8つのパーツをマスター
カスタム水冷の基本パーツは、以下の8つ。ここでは各パーツの役割やパーツ選びのポイントなどを紹介していこう。
- 水冷ヘッド(水枕)
- ラジエーター
- ポンプ
- リザーバー
- フィッティング(繋ぎ手)
- チューブ
- 冷却液(クーラント)
- ファン
水冷ヘッド(水枕)
基本パーツその1は、熱を冷却液に伝える受熱ベース部の水冷ヘッド。CPUとGPUに加えて、マザーボードのVRM、チップセット、3.5/2.5インチSSD/HDD、メモリーと、熱を発するPCパーツをほぼすべて水冷化可能だ。
さまざまな水冷パーツメーカーから登場しており、水冷ヘッド内を通る冷却液が見えるタイプも多い。見た目がカッコいいというほかに、水冷ヘッド内に空気が残っているか確認するのにも役立つのでオススメだ。
要注意なビデオカード用水冷ヘッド
最も発熱するCPUとGPUの水冷化が定番だが、ビデオカード用水冷ヘッドは注意が必要。人気なのはGPUコア、メモリー、VRMをまとめて冷却できるフルカバータイプだが、その仕様上、基板レイアウトに合わせた設計になっている。
AMD、NVIDIAのリファレンスデザイン用に加えて、ASUSなどのオリジナル基板用があるが、対応するメーカーやモデルは限られる。
水冷パーツメーカーがまず製品化するのは、NVIDIAやAMDのリファレンス基板デザイン用なので、リファレンス基板デザインのビデオカードのほうが、水冷化はしやすいといえる。
また、製品化される水冷ヘッドは主にNVIDIAのGeForce GTX TITAN Xや980 Ti、970。AMDのRadeon R9 Fury X、R9 Nano、390XなどのハイエンドGPUだ。
ミドルレンジGPUのフルカバータイプもあるが、種類はかなり少ない。一応、ユニバーサルタイプの水冷ヘッドを使えば、GPUのみの水冷化は可能だが、メモリーなどは空冷になる。 。
CPUとマザーボードをまとめて
冷却できる一体型水冷ヘッドもある
最近はマザーボードのVRMやチップセットと一緒にCPUを冷却できる一体型水冷ヘッドが増えている。圧力損失を抑えて配管できるのが魅力。EK WaterBlocksやBitspower、Thermaltakeから登場しているが、ビデオカードよりもさらに選択肢が狭まるのが難点。
ラジエーター
水冷ブロックを通った冷却液の熱を放熱するラジエーターは、冷却性能の要になる最重要部分で、大きいほうが放熱効率は高まる。
120mmまたは140mmファンを搭載でき、製品型番にある“240mm”などの数字は、ファンのサイズ×搭載可能数を意味している。
PCケースのスペックには、対応ラジエーターサイズとして、240mmラジエーターなどと記載されているが、同じ240mmラジエーターでも、全長や幅、厚みはメーカー、モデルで異なっている。PCケースに搭載できる実サイズは購入前に計ろう。
低速回転ファンでも空気が通りやすく、静音よりで組めるモデルや、高静圧ファン向けの高冷却モデルなどがあるので、ラジエーターサイズとともにチェックしよう。
なお、ファンで冷却するアクティブタイプのほかに、自然冷却のパッシブタイプもある。
ポンプ
冷却液を循環させるための必須パーツ。ポンプは流量と揚程で性能が決まるが、大事なのは揚程。揚程はポンプが生み出す圧力で、それを水の高さで示したもの。
水冷システムは配管、各種水冷ヘッド、ラジエーターなど、さまざまな抵抗(圧損)があるため、流量が大きくても、揚程が低いと水が流れない場合もある。複数のラジエーターや水冷ヘッドで構築するときは、ポンプの並列接続もあり。
なお、使用するポンプによっては必要となるのが、ポンプハウジング(MODハウジング)と呼ばれているパーツだ。PC向け水冷の鉄板となっているLaing製ポンプ向けに多くの製品が販売。組み合わせることで、好みのフィッティングを使用可能にしたり、リザーバーと一体化させたりできる。