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業界人の《ことば》から 第193回

連続血圧測定技術を開発

医療の歴史を塗り替えたオムロンの新技術は疾患を予見する

2016年04月26日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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血圧の歴史をつくってきたオムロンヘルスケア

 高血圧の重症化にともなう脳卒中や心筋梗塞などの脳・心血管疾患は、依然として高い確率で発症。日本における要介護の原因疾患の22%を占めて、第1位となっている。また、死因理由でも、悪性新生物、心疾患に続いて3位となっている。

 オムロンヘルスケアは、1973年に初の電子血圧計を発売。それまでは血圧は病院で測るものとされていた血圧を、家庭で測るという新たな提案を行ない、自分の身体を自分で知り、自分で健康を維持する環境づくりの提案を行なってきた。

オムロンヘルスケアがつくったといっても過言ではないガイドライン

 現在、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、診察室血圧と家庭血圧に差がある場合には、家庭血圧を優先することが定められるところまで、家庭で血圧を測ることが定着してきた。

 また、家庭血圧を測ることで、病院を訪れると血圧があがってしまう「白衣高血圧」、逆に病院での測定では血圧が低くなる「仮面高血圧」といった人が、あわせて全体の3分の1以上いることもわかり、そうした人たちにも適切な治療が行なえるようになってきた。

 こうした実績を持つオムロンヘルスケアが取り組むのが、連続血圧測定という新たな技術であり、かつて家庭で血圧を測る提案を行ない、医療を変えたのと同じように、これによって医療を変えていこうと考えているのだ。

 「病院を訪れた際、40代ぐらいの男性が、イベントによって歩けなくなり、賢明になってリハビリをしているシーンを目撃した。小さな子供は一生懸命に応援しているが、なかなかうまく動かない男性は、いらいらして、壁を蹴飛ばしたり、涙を流したりしている。そうしたとこがあってはいけないことを改めて感じた。イベントの発生は、患者や家族への負担が大きく、生活の質(QOL)を低下させてしまう。新たな技術を使い、一歩ずつ、イベントゼロに向けた努力をしていく」とする。

 新たなセンサー技術を活用した連続血圧測定技術によって、オムロンヘルスケアは医療の進化を支援することに挑んでいる。

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