止まらない、止めない、いつでも増設できる新分散処理アーキテクチャ
NTT、新サーバーアーキテクチャ「MAGONIA」により渋滞予測・信号制御を高信頼化
2016年04月13日 20時30分更新
日本電信電話(NTT)は4月12日、新サーバアーキテクチャ「MAGONIA」(マゴニア)の分散処理技術により渋滞予測・信号制御システムの故障耐性を向上可能としたと発表した。
渋滞予測・信号制御システムはエヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)が研究開発しているもので、リアルタイムに収集した大量のデータを利用してエリアの交通傾向を分析、信号機をコントロールしてスムーズな交通の流れを実現する。
通信系サービスでは、端末からの発信といったイベントをきっかけに処理が起動し、一連の処理単位(セッション単位)で負荷分散を行なえる。単位処理がもともと独立しているため、分散される処理やデータはお互いに疎な関係にある点も特徴だ。これまでNTTでは、MAGONIAにおいてこの電話・データ通信の負荷分散に向けた研究開発を進めていた。
一方交通シミュレーションでは、ひとつの処理を複数のセルに分けて分割することから、分散される処理やデータが完全には独立しておらず、お互いに同期処理が必要になる。また、イベント契機ではなく、周期的に処理を行なう。1地点の交通の流れが隣の地域に影響を及ぼすなど、エリアを完全に分割できない交通系は通信系サービスと動作特性が大きく異なっており、NTTデータと共同で研究開発を進めてきた。
今回MAGONIAでは、処理分割機能とサーバ間処理同期機能を新たに採用することで、既存の分析処理部をそのまま分散処理基盤上に構築。交通系にも対応した大量のデータを高速に処理する能力とともに、いかなる時でもサービスを止めない故障耐性に加えて、需要に応じた処理能力の向上に向けたサーバー台数の増減が可能となった。両社では、渋滞予測・信号制御システムの実用化とともに、MAGONIAを各種の用途に適用したサービス事業を開拓してゆくとしている。