販売ルートは技術力と製品力で切り開く
碓井社長は、「エプソンは、複写機の販売ルートを持っているわけではない。だが、販売パートナーから、エプソンとつきあわないと、将来自分たちのビジネスが成り立たないと感じ取ってもらえる製品を提供することが、最大の販売戦略になるはずだ。新たな製品を投入することで、そうした流れを作り、それにあわせて、販売組織のあり方を変えていく」とする。
「中途半端なモノづくりの会社になるつもりはない」と、碓井社長は強い意思をみせ、技術力、製品力をテコに、販売ルートも開拓していく考えだ。
2015年に、EPSONブランドは40周年を迎えた。そのブランドの語源となったのは、草創期の大ヒット製品であるミニプリンター「EP-101」だ。EPシリーズの子供たちを、世の中に送り出すことで、将来に渡って成長していく姿を描き、その想いをこのブランドに込めた。そして、この製品のヒットのベースは、他社が追随できない技術力、製品力をテコにして、新たな販売ルートを開拓していったことにあった。
EPSONブランドのルーツとなったEP-101での必勝パターンを、新たな製品でも再現できるか。セイコーエプソンの新たな挑戦が始まる。
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