ジャズコーラスの音を録ってみる
まずはローランドの定番ギターアンプ・ジャズコーラスから出た音をマイクで録音してみます。岩井さんにセッティングしてもらったのは写真のような感じ。
マイクの違いによる音の差:
AKG「C414XLII」:メロディーA/メロディーB
SHURE「SM58」:メロディーA/メロディーB
SHURE「SM57」:メロディーA/メロディーB
録音したデータを高音質なヘッドフォンなどで聴いてもらうと、マイクの違いによる音の差が明確にあるという点を理解してもらえると思います。特にダイナミック型とコンデンサー型マイクは仕組みも異なり、エンジニアは録音の現場で、こうしたマイクの特性を頭に入れながら試行錯誤しながら録音を進めているはずです。
マイク位置による音の差、ほんの5~6cmの差でここまで音が変わる
マイクの差による音の違いを感じ取ってもらったうえで次に、マイクを置く位置による違いを聴いてみましょう。
よく見るとダイナミック型の2機種はギターアンプのスピーカーユニットの中央ではなく、中心と外側の中央付近に向けて置いてあります。これは低域から高域までのバランスを聴きながら岩井さんが決めたセッティングです。
実はこの位置が重要で。ちょっとした違いが録音する音に大きく影響します。今回はダイナミック型はユニットの近く、コンデンサー型は少し離した場所に置いていますが、マイクの近さでどんな影響が出るでしょうか? SM57を使って試してみましょう。
最初の位置(SM57):メロディーA/メロディーB
離した位置(SM57):メロディーA/メロディーB
パワー感の表現などにずいぶん違いが出たと思います。次にマイクを振動板の中心付近ではなく、センターキャップ付近に向けた場合と聴き比べてみましょう。
最初の位置(SM58):メロディーB
中央を狙う(SM58):メロディーB
センターキャップに向けたほうが高域に寄った音が録音されたと思います。実はスピーカーの振動は中心から外側に向けて伝わっていくので、中心は高域、外側に行くにしたがって低域の成分が増えてきます。マイクを向ける位置でそのバランスが大きく変わってくるわけですね。