4K動画のストリーミングはギガビット対応がいいかも
一方で、無線LANルーターがギガビット対応であるところに大きな意味はあるのだろうか? ここで検証しているように、筆者の環境であれば、ネット接続に関してWANポートのギガビット対応は大きな問題にならない。
ただLAN内、たとえばPCなどに保存されている動画コンテンツを無線経由で再生するとき、LANポートのギガビット対応が影響しないとも限らない。ということで、その条件でスマホにどれほど影響するかということを計測するために「Wi-Fi Speed Test」というアプリを使ってみることにした。
このアプリは同一の無線LANルーターに有線接続されたPCに計測用のサーバーを起動し、そこからのファイル転送速度を計測するというもの。以下に、ギガビットLAN対応製品であるエレコム「WRC-1167GHBK3-A」と、非対応製品であるASUS「RT-AC1200HP」を使って1TBのデータを11ac経由で送受信した結果を掲載する。
ギガビット対応製品では、もちろんWANの速度を上回る通信速度を残す結果となった。なぜか下りより上りのほうが高速だが、それはともかくとして下り135Mbpsはなかなかの速度ではないだろうか。対して100Mbps対応製品でも、上限に肉薄する90Mbpsもの速度が出ている。
90Mbpsといえば、DLNA各種機器によるストリーミング再生をストレスなく楽しめるハズ。ちなみに、デジカメなどで記録できる4K動画の高画質モードのビットレートがおおよそ100Mbps。ギガビット対応製品なら4K動画のストリーミングも安心だ。
有線接続したPC同士ではギガビットレベルでデータのやりとりができるのはもちろんだが、無線接続の子機との間の通信でもその性能を存分に発揮する役目を担っているのが11acということができるだろう。
次回は無線LANルーターの最新付加機能を紹介!
もちろん、ここで検証した結果が異なる環境でも同様であると断言はできない。しかし筆者が試用した限りでは、今回の11ac対応無線LANルーターはミドルクラス製品とはいえいずれも11acに期待される本来の実力を発揮できることがわかっていただけたのではないだろうか?
次回は、11ac対応無線LANルーターに搭載されている最新便利機能について解説していこう。