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今、買うべき春デジギア 2016 第5回

ASCII.jp編集部フィアット小林がオススメ

この春にスピーカーを買うなら、超小型Hi-Fi向けのスピーカー「ELAC BS302」

2016年03月25日 11時00分更新

文● フィアット小林、編集●ASCII

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フィアット小林が気になっているのはELAC BS302

 みなさんこんにちは。車もデジタルガジェットも小型で取り回しのいいものがいいですよね。フィアット小林です。

 さて「この春にスピーカーを1台買うなら何?」と聞かれて、気になっているのが「ELAC BS302」というコンパクトスピーカー。サイズは幅91×奥行き122×高さ121mmで、重量は1.3㎏。Hi-Fi向けのスピーカーとしては超小型の部類だ。

ELAC BS302のサイズは幅91×奥行き122×高さ121mmで、重量は1.3㎏。価格9万3960円

 本体は金属外装で、ピアノ風の光沢があるハイグロス・ブラックとなる。なかなかの高質感だ。デスクトップ設置ももちろん可能なのだが、専用オプションとして細いスタンド(LS STAND SAT for BS302)が用意されている。これを使うとスマートだし、ワンルーム的な空間でも、それほど負担なく置ける点がいい。

 ELACは軍港の町キースに本社を構えるドイツのメーカー。高精度でメカっぽい感じはクラフトマンシップ的な精巧さを感じますね。上はペア200万のスピーカーもある高級ブランドですが、末弟的な位置づけのBS302でも作りには妥協なしという感じだ。

 実は私自身、ひとつ前のモデル「301.2」のユーザーだ。見た目に反してすごい機種だなと実感していた。BS302は、さらにコンパクト化しつつ磁気回路の刷新で高音質化を果たしているということで、音にも期待ができる。反面、価格は旧機種より上がって、ちょっとお高めになってしまった。この点は重々理解しているが、音を聴けば納得という感じだ。

 サイズを含めてオンリーワン的な、非常に素晴らしい1台に仕上がっていると思う。

 ただ、この商品を使うにはいくつか理解しておきたいことがある。

 まず低域は潔く捨てていること。周波数特性のスペックは80Hzからと書いてあるので、ニアフィールド環境なら単体でも行けそうだが、部屋全体に広がる音を求めるのならやはり足りない。ただ、同軸2ウェイの密閉型という構成を選んでいるし、低域の量感についてはそれほど重視していないということだろう。

 一方で手に入れたものもある。それは卓越した空間表現だ。小型かつ同軸ユニットとしたことで点音源に近い理想的な再生ができる。ハイエンドスピーカーでは、よく「スピーカーが消える」とか「音の奥行きが深く3次元的に聞こえる」といった表現が使われるが、うまくセッティングするとまさにスピーカーが消える感覚が味わえる。明確な音像定位や深い奥行きの表現は大変魅力的だ。

 その能力は単体だけでなく、サブウーファー/AVアンプなどを加えた2.1ch再生にするとより一層明確になる。Hi-Fiでサブウーファーは邪道という考えの人もいるかもしれないが、最近のAVアンプの音場調整機能はかなり進化している。

 可能なかぎり小型で、最高の音質のスピーカーというのは、日本の住環境から考えれば非常にうれしい。最高の音質というのも誇大な表現ではないと思う。

 スペースの制約はあるけど、いい音にはこだわりたい。そんな人にとって最適なスピーカーがこの「ELAC BS302」だと思います。

フィアット小林

 愛車の「FIAT 500C」を買っただけで、80年代のえせお笑い芸人みたいなニックネームを名乗らされてしまった哀れな編集者。1998年に入社していらい、気付いたら40代に突入してしまった。パソコン選びでは派手さより、実用性を重視。オーディオ関係がすごく盛り上がっていたバブル期に、中学高校時代を送った関係でいまもオーディオ好き。

 自宅ではパイオニアの「SC-LX77」とELAC 301.2/301.2XL/SUB2060 ESPを組み合わせた4.1chシステムを使用中。小型で音がいい製品は大変素晴らしい。

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