三菱電機は、東京・丸の内の同社本社において、研究開発成果披露会を開催した。公開したのは、しゃべり描きUIや高性能センサーデータベース、次世代ネットワーク技術、完全自動運転技術など24の成果や取り組みなど。「女心に響く製品コンセプトづくり」といったユニークな研究成果のコンセプト展示も行なわれた。
三菱電機の柵山正樹社長は、「成長を支える研究開発成果を発表する場として1981年から実施してきたもので、今回の披露会では未来社会への貢献をテーマに展示している。2020年までに実用化する技術を『明日への切符』として14件、その先の10年、20年に向けた技術を「未来への扉』として10件公開している」とした。
また「三菱電機では、創業100周年を迎える2020年に、売上高5兆円以上、営業利益率8%を目指している。研究開発は成長戦略を推進する要である。この成長に向けて、強い事業をより強くし、新たな強い事業を創出するといった取り組みに加えて、強い事業と強い事業を組み合わせによるソリューションを強みにしたい。その中ではIoTが重要なポイントになる。未来志向の研究開発にも戦略的に投資を行なっていく。すべての動きが前倒しする可能性がある。世の中の変化に敏感に対応していきたい」と語った。
一方、三菱電機 開発本部長の近藤賢二常務執行役は、「これまで三菱電機は、モノづくりに重点をおいて発展してきた。これを卵の黄身にたとえると、卵は、S、M、Lとサイズはあるが、実は黄身のサイズは同じである。白身の部分に違いがある。ここは導入・運用・保守・付加サービスなどにあたる。強い機器を中心に、白身の部分となるサービスを提供することがポイント。白身を大きくする一方、黄身の部分も大きくしたり、ふたつにすることで、強い機器を中心として総合電機メーカーならではの価値創出に取り組む」とした。
さらに、「三菱電機の研究開発の基本方針は、Innovation(創新)を通じて、豊かな社会を実現すること。短期、中期のほか、これまで以上に長期的視点の開発テーマを増やし、バランスよく推進していく。困難なテーマにも、失敗を恐れず、積極的にチャレンジしていく」と述べた。
また、オープンイノベーションとの取り組みについても言及。「外部の大学、研究機関などとの連携は、2015年度は、2014年度の2倍。さらに、2016年度にはこれを3倍にする」と語った。
研究開発成果披露会で公開された技術は、「IoT」「スマートモビリティ」「快適空間」「安全・安心インフラ」の4つのテーマごとに展示。さらに、「未来イノベーションセンター」として、同社が2015年7月に設置した未来志向の研究開発を推進する組織の取り組みも紹介していた。
写真で、研究成果の様子を紹介しよう。