ノートPC代わりになるデバイスではない
メインPCのコンパニオン(サブ)と捉えたい
Surface Pro 4は「Surface Pro 4 タイプ カバー」を用意することでほぼノートPCになるが、物理的な画面サイズが狭いため、作業をするメインPCにできる人もいれば、画面が狭くて仕事にならない人もいるはず。ディスプレーを用意することで解決できる部分ではあるので、条件付きでメインPCとしても運用できる。モバイルが多く、膝上での作業が多い場合はやや作業が難しいので、よく仕事で使うシーンの想定が必要だ。
iPad ProはOfficeアプリやメモ帳、画像加工アプリなど仕事に使えそうなアプリは多いのだが、現時点だと、iPad Proひとつですべての業務が行なえるかと考えると、難しく感じている人が多いのではないだろうか。データのやりとりはクラウドサービス経由でオーケーなので、独立したセカンドモニターとして運用したり、「Air Display」でPCのセカンドモニターにしたりといったことでサブPCとして運用するのであれば、十分有用性はある。またそのままサッと持ち出せる部分は武器でもある。
以上のように、現状タブレットの2大巨頭であるSurface Pro 4とiPad Proは、存在自体が過渡期であるため、用途にハマるととても頼りになる相棒になってくれるが、そうではない場合は、中途半端な製品だ。ノートPC的とするならばSurface Pro 4を選ぶべきとなるが、iPad Proは用途が決まっていない段階で業務に投入すると、どうにも邪魔になりがちで、かつ強引に組み込むのもめんどうであることが多い。
なぜなら、取り巻く環境が「タブレット」だけではなくなりつつあるからだ。途中で触れているように、キーボードカバーでノートPCのようにもなる部分がかなり影響している。スマホも加えると、アプリ間でのデータ同期はクラウドサービスで行なえるため、PCやスマホ、タブレットといった区別は徐々に薄れてきている。ただ、それが当たり前になるのは当分先(もちろん、すでにそうなっている人もいると思うが)だ。
こうした背景もあり、Surface Pro 4とiPad Proはいずれも優れた製品だが「とりあえずノートPC」みたいな感覚で選ぶ製品ではない。導入前には、自分の作業環境やPC環境を再チェックして代替となり得るのか、組み込んでも問題ないのかを一考する必要がある。その結果、不要という答えが出たのならノートPCを選べばいい。iPad Proのセルラー版なら単体通信できるという利点もあるが、ノートPC+スマホのテザリングでも通信できる点では同じだ。繰り返しになるが、タブレットや2in1の現状はまさに「目的に合えば快適」という段階だ。
次回はSurface ProとiPad Proそれぞれの立ち位置や最適な用途を意識しつつ、製品の詳細に迫っていく。
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