定番クーラーのSkylake対応モデル
ENERMAX「ETS-T40-W」
第2回の1製品目は、他のメーカーも真似する取り付けしやすい固定方法や優れた冷却性能で発売以来人気のあるENERMAX「ETS-T40」シリーズの最新モデルとなる「ETS-T40-W」だ。
最新の「ETS-T40Fit」シリーズは、ファンの構成やフィンの塗装コーディングの違いにより4モデルがラインアップ。今回は熱伝導性に優れる塗装コーティング技術の「TCC(Thermal Conductive Coating)」を採用し、回転数を3段階に調節できる「Cluster Advance PWMタイプの静圧120mmファン」を2基搭載する「ETS-T40-W」をチョイスしている。
冷却性能や静音性は気になるところだが、CPUクーラーでは珍しい、ホワイトカラーのヒートシンク(TCCコーティング)やホワイトLED搭載ファンは、魅せるPCケースと組み合わせたくなる。
- 対応ソケット:LGA115×/1366/2011/2011-v3、Socket AM2/AM2+/AM3/AM3+/FM1/FM2/FM2+
- 寸法/重量:126(W)×95.8(D)×161.7(H)/約460g(ファン1基含み)
- ファンサイズ:120mm
- ファン回転数:800rpm~1500rpm/1800rpm/2200rpm
- 風量:37.57~71.30CFM/86.70CFM/105.90CFM
- ノイズ:10~17dBA/21dBA/27dBA
- 実売価格:7000円前後
- 製品情報URL:http://www.links.co.jp/item/ets-t40f-w/
定番CPUクーラー「ETS-T40」がベースの「ETS-T40-W」には、特許技術やこだわりがいっぱいで、ヒートシンクには52枚のアルミニウムフィンすべてに突起加工を施し、ヒートパイプ背面の無風領域をなくして満遍なく風の流れを作り出すという特許技術の「VGF(Vortex generator flow)」を採用。
加えて、52枚のフィン末端をフラップ形状にデザインすることで、ヒートシンク側面からも外気を取り込む「VEF(Vacuum Effect)」ギミックが仕込まれている。
また、受熱ベース部は6mm径×4本のヒートパイプがCPUコアに直接接するダイレクトタッチ方式が採用されている。
「ETS-T40Fit」シリーズは、従来モデルからヒートシンク厚を42.5mmへスリム化されているのもポイント。これにより、メモリーとの干渉が抑えられ、大型ヒートスプレッダーを搭載するメモリー使用時も干渉しなくなっている。CPUソケットの両側にメモリースロット備えるLGA2011系にも安心してオススメできる。
肝心の冷却性能だが、定格運用時のアイドルが23度、高負荷時の最高が66度、平均が55.3度と優秀。騒音値はデュアルファンのため、最大45.5dBAになってしまうが、この辺はファン回転数の調節次第といったところ。変わってオーバークロック時のCPU温度は定格運用時ほど際立つところがなく、高負荷時の最高が87度、平均は66.1度と高めに感じる。
メモリー、VRM、M.2 SSDの温度に関しては、定格、オーバークロック時ともになかなか優秀。とくにメモリー温度はCPUソケット側のDIMM1で最高34.5度、DIMM3で33.3度とかなり抑えられている。これはスリムヒートシンクのおかげで、ファンがCPUとメモリースロットの間に位置するため、風がメモリー→ファン→シートシンクと流れるためだ。
メモリーやM.2 SSDの冷却を重視したい人やLGA2011系にグッドなCPUクーラーと言える。
Core i7-6700K 定格クロック/アイドル時 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
ファン 回転数 |
ファン 騒音値 |
|
アイドル時 | 23 ℃ | 28 ℃/26.5 ℃ | 26 ℃ | 38 ℃ | 813 rpm | 36.4 dBA |
TS15Aより | -5 ℃ | +0.5 ℃/+0.5 ℃ | -3 ℃ | +1 ℃ | -199 rpm | +1.9 dBA |
Core i7-6700K 定格クロック/高負荷時 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均/最高) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
ファン 回転数 |
ファン 騒音値 |
|
高負荷時 | 55.3 ℃/66 ℃ | 34 ℃/32.5 ℃ | 47 ℃ | 41 ℃ | 1465 rpm | 45.5 dBA |
TS15Aより | -5.5 ℃/-11 ℃ | +3 ℃/-2.8 ℃ | -5 ℃ | -6 ℃ | -2213 rpm | -7.1 dBA |
Core i7-6700K オーバークロック/アイドル時 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
ファン 回転数 |
ファン 騒音値 |
|
アイドル時 | 29 ℃ | 28.3 ℃/26.8 ℃ | 31 ℃ | 38 ℃ | 810 rpm | 36.4 dBA |
TS15Aより | -5 ℃ | +1.3 ℃/+1.5 ℃ | +2 ℃ | ±0 ℃ | -493 rpm | -0.3 dBA |
Core i7-6700K オーバークロック/高負荷時 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均/最高) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
ファン 回転数 |
ファン 騒音値 |
|
高負荷時 | 66.1 ℃/87 ℃ | 34.5 ℃/33.3 ℃ | 46 ℃ | 43 ℃ | 2238 rpm | 55.1 dBA |
TS15Aより | -4.9 ℃/-4 ℃ | -3 ℃/-2.5 ℃ | -6 ℃ | -1 ℃ | -1440 rpm | +2.5 dBA |
Core i7-6700K オーバークロック/ファン回転数1500rpm固定 | |||||
---|---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均/最高) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
ファン 騒音値 |
|
高負荷時 | 66.1 ℃/87 ℃ | 35.8 ℃/34.5 ℃ | 42 ℃ | 44 ℃ | 45.5 dBA |
PWM時より | ±0 ℃/±0 ℃ | +1.3 ℃/+1.2 ℃ | -4 ℃ | +1 ℃ | -9.6 dBA |
この連載の記事
-
第3回
PCパーツ
最強を見極める! 2015年CPUクーラー王座決定戦【第3回】 -
第1回
PCパーツ
全高130mm以上のCPUクーラー8製品を見極める!【第1回】 -
第-1回
PCパーツ
2015年CPUクーラー最強王座決定戦(全高130mm以上編) - この連載の一覧へ