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伝統だけでも革新だけでもないブランド

大人の翼から20年、X1でThinkPadを再定義するレノボ

2016年02月10日 14時00分更新

文● 小林 久/ASCII.jp

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空気を読むThinkPadを作る

 発表会には、レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏のほか、レノボ本社でチーフデザインオフィサーを務めるDavid Hill氏などが登壇した。

左がレノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏、中央がレノボ本社でチーフデザインオフィサーを務めるDavid Hill氏、右はコマーシャル製品事業部 Thinkプラットフォーム グループ部長の大谷光義氏。

 留目氏は、2015年度の第3四半期、過去最高の21.6%シェアを確保し、過去最高の利益も獲得。引き続き全世界で1位のシェアを維持できたこと、国内でも第2四半期までで過去最高の29.4%シェアを得ており、PC市場でリーダシップポジションを維持しつつ成長しているとした。

 加えて、ThinkPadについては「まさに人々の生産性を高めていくため、究極のツールとしての進化を続けてきている。日本のモノづくりの強さを信じて継続してきており、2014年には累計出荷台数を1億台に伸ばしてからも、さらに成長を続けている。日本の理想的なモノづくりの在り方をThinkPadは示している」とした。

 一方でコンピューティングパワーが人々をサポートする時間は限定的であるとコメント。折に触れて同氏が示している懸念を強調した。PCは本当の意味でパーソナルになっていないとしたうえで、「D3プロジェクト」や「D3 Works プロジェクト」として同社が展開している施策などを通じて、パーソナルコンピューティングの第2章を切り拓くためのさまざまな施策に取り組んでいきたいとした。

 特にデジタルワークについては、団塊ジュニアと呼ばれる1970年代に生まれた世代が介護に取り組まなければならない時期に来ている点に触れ、「会社でないと進まないだと致命的になる」とコメント。在宅ビジネスの重要性について述べた。また「イノベーションは企業の殻に閉じこもっていてはダメ」ともコメント。他業種やスタートアップとのコラボが必要で、会社の外に出たコラボレーションやディスカッションしていかなければならないとした。こういった新しい働き方の場面で、PCやIT機器の持つモビリティーが生かされていくという趣旨だろう。

コマーシャル製品事業部 部長の大谷氏が触れた「ThinkPad開発哲学の木」。20周年の節目に2in1やタブレットといった新しいタイプの製品を開発する際に考えられ、開発時には基礎となる概念としている。

この開発哲学にのっとり、ThinkPadのエンジニアから寄せられたペインポイントは1600以上におよんだという。

WoW+の中では、センサーを活用し、利用シーンを調べながら、パソコンにもっと空気を読ませる取り組みが検討されている。

インテリジェントセンシングはそのひとつ。

軽量化や静穏化のための基礎的な技術開発も継続して実施されている。

X1 Tabletではトラックポイントの薄型化やWiGigアンテナの最適化などにもこだわっている。

 一方Davit Hill氏は、プレゼンテーションで2015年に亡くなったRichard Sapper氏の言葉「Time is one of the few things that may ultimately establish the true quality of an object(時間は、最終的に物の真の品質を証明できるものの1つ)」を引用した。Sapper氏は、ドイツ出身の工業デザイナーで、ThinkPadデザインの礎を築くうえでも重要な役割を果たしている人物だ。

 ThinkPadシリーズのデザインで特徴的なのは「Bento Box」と呼ばれた初期のモデルから一貫したデザインテーマを継承している点だろう。特に黒の筐体に赤のワンポイントは1992年以来、現在に至るまで何も変わっていない。この時代を超えた価値を提供するデザインに加えて、Paul Rand氏の「Art is an idea that has found it's perfect form」(芸術とは究極の形を見出す思想である)、F. A. Porshceの「Design is not simply art, it is the elegance of function」(デザインとは単なる芸術ではなく、洗練された機能である)といった言葉を引用し、形状(Form)と機能(Function)を両立させ、感情(Emotion)を昂らせることだとした。

 新しいX1は過去のThinkPadで培った改良の歴史の積み重ねや、ThinkPadシリーズならではのシンボルを踏襲しつつ、時代を超え、洗練され、目的があり、個性的で、考え抜かれ、洗練され、熟成されており、精緻で、比類なく、完璧を求めたデザインだとした。曰く「Thinkのデザインを追求していくことは、過去の資産と未来へのビジョンのバランスをとっていく行為」であり、「X1というアート」であるとした。

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