ThinkPad X1 Yogaには有機ELパネル搭載機も
また、今回からX1ファミリーに加わった「ThinkPad X1 Yoga」は、360度回転するYOGAヒンジを採用したThinkPad。Lift'n Lockと呼ばれる、液晶反転時にキーボードの縁がせり上がり、キーの語入力を防ぐ機構を引き続き採用。さらに今回から雨どいのような溝を設け、水などをこぼした際にも側面から排水される機構を取り入れている。
レノボ純正オプションのペン「ThinkPad Pen Pro-3」も本体に収納できる。
こうした要素を盛り込みつつ、薄さは約16.8㎜、軽さは約1.27㎏と、タッチ機能を持たない新ThinkPad X1 Carbonに匹敵する携帯性を確保。さらに夏をめどに有機ELディスプレー搭載機も市場投入するなど意欲的な構成となっている。内部的には、第6世代のCore iに加え、最大512GBのNVMe SSD(PCI-Express接続)を採用するなど、2016年の状況に即したハイスペックを選択している。
またThinkPad T460sなどでも採用されている“インテリジェントクーリング”の仕組みも採用。ユーザーのひざの上、あるいはカバンの中など利用シーンを内蔵センサーを使って予測し、それにあった動作をする。例えばひざの上にある場合は表面温度を下げたり、カバン収納時に無駄な電力を消費しないようにできる。
ThinkPad X1 Carbonについては、薄さ16.45㎜、軽さ約1.18㎏と従来機より約10%軽量化している。14型で1.1kg台というのは、モバイルノートの選択肢が増えてきた2016年の現在でもなかなか魅力的だ。基本スペックについてはThinkPad X1 Yogaと共通化が図られていると感じるが、より薄く軽くという層にはアピールできる製品だと思う。
最後のThinkCentre X1は、X1シリーズとしては唯一のデスクトップとなる。フレーム部分の薄さは約11mm、本体はアルミニウム合金製で、高視野角で明るい23.8型のIPS液晶パネルを採用。表面にアンチグレア処理を施し、強い照明下でも見やすさにこだわっている。スタイリッシュな外観だが、8項目のMIL規格テストにもパスしており、Thinkシリーズらしい堅牢性を確保している。
また面白いのはテレビ会議や動画視聴に適した機能を多く盛り込んでいる点だ。例えば本体にはドルビーが専用にカスタマイズしたプロファイルを用意。内蔵スピーカーの最適化に加えて、別売の「ThinkPad X1 インイヤーヘッドフォン」と組み合わせた際に音質を最適化する機能を持っている。レノボの説明では、ドルビーが特定のイヤフォン向けにプロファイルを開発することは非常にまれだという。
実際に聞いてみると、かなり高音質。イコライジング処理で音場・音像ともに明確になり、1万円程度のイヤフォンでさらにパソコンに直結して聴いているとは思えないほどだ。
ちなみにThinkPad X1 インイヤーヘッドフォンは、ケーブルを風呂敷のように巻いて手軽に持ち運べるなどデザイン性でも特徴的。豊富なオプションはThinkPadらしい特徴だが、同時発表の「ThinkPad X1 ワイヤレスタッチマウス」もマウス背面にトラックパッドを配置し、プレゼン時にスライドクリッカーとして利用できるなど面白い。