レノボ・ジャパンは2月9日、東京・六本木の国立新美術館で記者会見を実施。新しい“ThinkPad X1シリーズ”を国内発表した。1月に米国で開催されたCESで世界向けに発表された製品。
現在先行して、法人向けの販売代理店モデルが販売中。直販サイト(レノボ・ショッピング)では、準備が整い次第、2月中旬から順次受注する。
ThinkPad X1のブランドにこめた“革新×洗練”という思い
「ThinkPad X1」は、ThinkPadの伝統を受け継ぐ“Classic”カテゴリーに属しながら、薄型筐体や6段配列キーボードなどスタイリッシュさを前面に押し出したシリーズとして2011年に登場。2012年以降はより薄型の「ThinkPad X1 Carbon」に進化し、世代を重ねてきた。以降、X1 Carbonはフラッグシップ的な意味合いを持つ、ThinkPadシリーズのプレミアムラインとして、新しいコンセプトや革新性の高いユーザビリティを率先して取り入れるシリーズとなった。
新しいX1シリーズでは、このX1 Carbonに、二軸ヒンジで360度自由な角度がディスプレーを開ける既存シリーズ「ThinkPad Yoga」、そして着脱式2in1の「ThinkPad Helix」のラインが合流。ThinkPadシリーズの伝統を継承しつつ新機軸を打ち出してきた製品ラインが一つにまとまった形だ。なお、X1のブランドを冠するのはノートだけではなく、省スペースでスタイリッシュな一体型デスクトップの「ThinkCentre X1」も含まれる。
レノボは1月19日に、メインストリーム向けThinkPadの2016年モデルの発表会を実施しているが、それと今回のX1シリーズの発表を分けたのは“ソリューション”(製品ラインアップや利用シーンの提案)と“ブランディング”(25年近い歴史を持つThinkPadシリーズの今後)の2つの側面から、2016年のThinkPadを再定義しようとしたためと想像できる。
X1ファミリーのブランドコンセプトは“革新×洗練”。発表会場に国立新美術館内のカフェ コキーユというパソコンの新製品発表ではあまり使われないプレミアムな雰囲気の場所が選ばれたのもこれに沿ったものだろう。
ちなみに会場の要所要所で、Donald FagenのI.G.Y.という曲がかかっていた。これはIBM時代の1996年“ThinkPad”のCMで使われていた曲(“大人の翼”で古くからのThinkPadファンには懐かしいモデルのりょうさん出演ののCM)とのことで、20年前から一貫したブランド思想を持っているメタなテーマを盛り込んでいたようだ。関係者のにくい演出である。