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楽器はメディア、だとするならNAMMで登場したシンセが音楽を変える可能性はある

今年発表のシンセは最高だし音楽の未来を考えざるを得ない

2016年02月13日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ユーロラックの隆盛と「SYSTEM-500」

 モジュラーシンセが流行っています。それを支えているのが、ユーロラックと呼ばれるモジュールのケース規格が事実標準となったことです。パソコンで言うならPC/ATみたいなもの。マウントが共通なので、いろんなメーカーのモジュールを買ってきて、エフェクターボードに新しいペダルを組み込むように追加できる。

 現在のシンセ愛好家が行き着く先は、大体ここです。それで音楽をやってもよし、盆栽のように愛でるもよし。まさに今年のモーグのブースがそんな感じだったようです。アロマオイルの香り漂うヒーリングサロンのような。ああ、くそう、やっぱり行きたかったなあ……。

 そこでモーグは昨年発表したセミモジュラーシンセ「Mother-32」と、それに対応するラック「Mother-32 Three-Tier Rack Kit」、そしてMother-32と同サイズでユーロラック規格のモジュールが収まる「60 HP Eurorack Case」を展示。ちょっとややこしいですが、これに他社製モジュールを収めると、Mother-32用のラックに入れられるわけです。平面のラックよりも適度な囲まれ感があって、没入するには持って来いと思われます。

Mother-32

 そしてローランドからもウワサのアナログモジュラー「SYSTEM-500」がついに発表されました。1970年代における同社のモジュラーシステム「SYSTEM 700」や「SYSTEM 100M」の意匠を引きつぎつつ、ユーロラックサイズに収めたもの。

SYSTEM-500

 モジュールは全5種。それぞれオープンプライスで3月下旬発売予定となっています。現在予約を受け付けている小売店の価格は、2VCO「512」/2VCF「521」/2EG+LFO「540」が各4万2120円、2VCA「530」は3万8880円、フェイズシフター+ディレイ+LFOの「572」は4万6440円、これらを収めるユーロラックケース「SYR-E84」が5万2920円、それらすべてを組み込みパッチケーブルなどを合わせた「SYSTEM-500 Complete Set」が26万4600円。

 そしてウォルドルフはユーロラック・ケース付きのコントロールキーボード「kb37」を出していて、これがなかなかカッコいいです。ベロシティー、アフタータッチに対応していて、CV/GATEとUSB MIDIに対応という仕様。DAWを中心としたシステムのハブとして使えそうです。モジュラーはキーボードとラックが別々で、ライブでの設営が面倒だったりするわけですが、これならパッチケーブルを挿したまま持ち運べるので便利かも。価格や発売日のアナウンスはまだありません。

神々の仕業「OB-6」

 デイヴ・スミスの新作は、もう一人のシンセの神、トム・オーバーハイムとのコラボレーションによる「OB-6」です。ブランドはデイヴ・スミス・インストゥルメンツですが、パネルデザインは思いっきりオーバーハイム。おお、神が二人がかりかよ、という製品。その神々が、回路図を交換しながらバーで会話している様子をご覧ください。

 サウンドに関してはオーバーハイム最初期の製品「SEM」にインスパイアされたというもので、音の感じはまさにあの分厚いオーバーハイムサウンドなのでしょう。懸念されるのは、このパネルデザインを見て、思わずヴァン・ヘイレンの「JUMP」を弾き出してしまう人が続出するという事態です。

 映画「ウェインズ・ワールド」の楽器屋には「天国への階段禁止」という貼り紙がありましたが、ポリフォニックシンセでそれに相当する禁則事項がJAMPだろうと思います。私はやってしまいそうですが。今のところ日本での発売日や価格は発表されていません。

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