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スマホのプライバシー保護対策10ヵ条:

ベッキー・ゲス騒動のLINE流出から学ぶ、スマホプライバシーの守り方

2016年02月06日 09時00分更新

文● 三上洋(ITジャーナリスト) 編集●ASCII

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スマホのプライバシーを守るための10ヵ条

バックアップしたパソコンの管理にも要注意。また機種変更後の古いスマホも初期化すべきだ。

 冒頭で5パターン・8種類の覗き見を検討したが、条件が揃えば、どの方法でも他人に覗き見される可能性があることになる。悪意がある人による覗き見を防止するには、きちんと対策しておく必要があるだろう。

 まず大切なのは、機種変更後の古いスマホだ。機種変更後の古いスマホは、第三者に覗き見されればプライバシはーすべて筒抜けになる。LINEはもちろんのこと、メール、アドレス帳、着信履歴、Facebook、Twitterなどすべてがそのまま使えるのだから、端末を持って行かれたらアウト。現在使っているスマホと同じ状態であり、パスワード無しで使えてしまうのだから、すべてが見られてしまうだろう。

 私たちは外部からの攻撃ばかりを考えてしまうが、今回の事件のように「身近な人が端末を見る(という推測)」ことも警戒すべきだろう。誰でも人には言えない秘密を持っているはずで、家族にも見られたら困るものもあるはず。使い終わった古いスマホは、初期化をしてアカウントデータが消えた状態にしておくべきだ。

 これを合わせて、スマホでのプライバシーを守るための安全対策10か条をまとめておく。改めて自分のスマホ設定・利用方法を見直そう。

スマホ・プライバシー対策10ヵ条

1:端末ロックを必ず、複雑なパスコードに
端末ロックは必ずかけること。数字4桁ではなく複雑なパスワードにすること。

2:身近な人を疑うなら「パターン認証」や指紋認証に注意
夫や妻、恋人などの身近な人を疑うのであれば、指紋認証やAndroidの「パターン認証」にも警戒を。寝ている間に指紋でロックを外される、手元覗き見でパターン認証が見破られるなどが考えられるからだ。

3:LINEもパスコードロックを
LINEの起動ごとに4桁の暗証番号が必要になる「パスコードロック」を設定。端末ロックとは別のパスコードにすること。LINEの操作が面倒になるが、人前だけで有効にするのでもいいだろう。

4:LINE通知の本文表示はオフに
LINEの通知では、本文を表示しない設定にする。問題のない内容であっても、他人がチラ見した場合、疑いをかけてしまうからだ。

5:iTunes(Apple ID)やGmailパスワードは複雑かつ使い回さない
iTunesやGmailのパスワードを知られてしまうと、「iPhoneを探す」などによって現在地をパソコンから監視されてしまう可能性がある。パスワードは8桁以上で複雑なものにする(大文字・小文字・数字を含める)。

6:他人に設定させない、手渡さない
どんなに信頼できる人であっても、スマホを手渡しして設定してもらわない。特に初めてだからとパスワードまで設定させるのは危険だ(ショップでの流出事件もある)。

7:ストーカーの危険がある場合はAndroidに警戒を
Androidでは遠隔監視アプリが出回っている。恋人が別れてからストーカーになって、監視されていた事件もあったので警戒すること。ストーカー被害の可能性がある人は、Androidで不審なアプリがないか、システムに不審な常駐がないか確認する。

8:機種変更後の古いスマホは初期化する
機種変更後のスマホには、あなたのプライバシーがすべて詰まっており、他人が持てば今回のようにリアルタイム監視される可能性もある。機種変更後の古いスマホは、データを保存した上で初期化(リセット)すること。

9:バックアップデータを保存したPCにも注意
iTunesなどでバックアップした場合、そのパソコンにも注意を。バックアップデータから復元されるのを防ぐためだ。暗号化バックアップを取る、パソコンのログインパスワードを複雑にするなどの対策を。

10:相手側で漏れる可能性があることの覚悟を
LINEやメール・SNSの場合、自分がいくら対策をしても、相手側で漏れてしまう可能性がある。常に漏えいの危険性があると覚悟し、問題のあることは書かないことが基本になる。

 スマートフォンは自分だけが見るものと思っているためか、対策が甘い人が多い。この機会に自分のスマホ設定を見直そう。法律やシステムでは、あなたのプライバシーを守ることはできない。自衛策をきちんと取ることが大切だ。

 なお今回の週刊文春によるLINE画面掲載について、ネットでは法律面での議論も進んでおり、一部では「警察が動くのでは」という噂も流れている。筆者の取材では、警察が動いているフシはないが、関心は持っているかもしれない。「プライバシー侵害」と「不正アクセス禁止法」の2点で、このスキャンダルが社会的な問題に発展する可能性がある。

三上洋/ITジャーナリスト

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