IDCが2015年のスマートフォン市場の成長率を下方修正した。今年の出荷台数は前年比9.8%増の14億3000万台。右肩上がりで成長してきたスマートフォン市場にとって初の1桁成長に留まったという。スマートフォンベンダーのこの1年を振り返ってみたい。
スマホ市場、上位5社で最も成長を遂げたのはファーウェイ
シャオミは勢いが止まる
2015年もモバイル業界は、1月のCESと2月末のMWCで幕を開けた。
MWCではSamsungが「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」、春にはHuaweiが「Huawei P8」、LGが「G4」をそれぞれ発表し、夏には早くもSamsungが「Galaxy Note 5」「Galaxy S6 edge+」をリリースした。
それに続く、9月のIFAでは、ソニーが「Xperia Z5」、Huaweiは「Huawei Mate S」などを発表した。そして例年通りに9月後半にAppleから「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」が登場した。
今年はスマートウォッチも各社が本腰を入れ始めた。Apple Watchは3月に正式発表。HuaweiもMWCで「Huawei Watch」、SamsungはIFAで「Gear S2」を公開している。ソニーもIFAで「wena wrist」を発表した。
グローバルベンダーに加えて、Xiaomiは年始に「Mi Note」を発表、春に「Mi 4i」を発表している。OnePlusも夏に「OnePlus 2」を発表している。
各社の業績を見ると、iPhone 6s/iPhone 6s Plusは発売から3日間で過去最高の1300万台を売り上げたことが報告された。頂上対決がみたいところだが、Samsungは公式にはGalaxy S6/S6 edgeの台数を明らかにしていない。同社は発売後5ヵ月で値下げを明らかにしており、ここからは好調でなかったことが想像できる。
直近のベンダーシェア(2015年第3四半期)は、Samsungはトップで変わらずに23.8%、Appleは13.5%、そして3位のHuaweiが7.5%。Samsungは前年同期比0.1ポイントのシェア減少、Appleは1.7ポイントのアップ、Huaweiは2.5ポイントと上位5社中最大の伸びを示した(4位のLenovoは0.2%アップの5.3%、5位Xiaomiは前年同期変わらずの5.2%)。
そのHuaweiは前年同期比の成長率も60.9%増と、2位のAppleの22.2%を圧倒的に上回っている。Huaweiは年末に2015年のスマートフォン出荷台数が1億台の大台を突破したと報告した。今年のスマートフォン市場はHuaweiイヤーといってもよいかもしれない。
(次ページでは、「Android+iOS=97% 第3のOSは苦境に」)
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