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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第41回

2016年にスマホの"実質0円”はなくなる?  そして格安SIMはどうなる!?

2015年12月24日 15時00分更新

文● 正田拓也

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Nexus 5Xの値段に注目すると見えてくる
実質0円なのに割高な理由

「Google Nexus 5X」

「Google Nexus 5X」

 実際に主要携帯キャリアが設定するスマートフォン価格はどうなっているのだろうか。キャリアにとらわれないSIMフリー版で、キャリアから販売されているのと同じ物(違いは最初からSIMフリーか、購入半年後にSIMフリー化が可能、という違いのみ)が手に入る機種のひとつ、グーグルの「Nexus 5X」で比べる。

 ドコモの本体価格は、ストレージが32GBタイプのみで9万3312円(公式オンラインショップ)、ワイモバイルでは32GBが8万352円(同)で販売されている。

 一方で、回線契約などがまったくなく、単体購入できるGoogleストアでは32GBは6万1938円と大幅に安い。

 ドコモの場合、もっとも特典が大きいMNPで新規契約の場合、最初の2万1600円の割引と毎月2025円の割引があり、合計7万200円の割引により実質2万3112円で買えるという計算になる。

 毎月2025円で合計4万8600円の割引をすべて受けるには24ヵ月以上、指定されたデータ定額をセットで契約しておく必要がある。ワイモバイルも金額こそ違うがほぼ同様の仕組みだ。

 そこで、ほぼ支払額が最低となるプランで比較してみた。通話があった場合、Googleストア版+格安SIMの組み合わせは通話分だけ高くなることや、混雑時の実効通信速度など条件は完全に同一ではないことに注意してほしいが、あまり使わない人はだいたいこのような金額になる。

Nexus 5X(32GB)を乗り換え購入した場合の2年間料金比較

 2年分の金額を見ると、Googleとワイモバイルは10万円を少し超える程度。ワイモバイルは少し高いが、通話もある程度含まれるためお得なところもある。ところがドコモは通話定額という大きな特典があるものの倍近い。実質で言うところの端末価格は2万3112円といちばん安いにもかかわらずだ。

 仮に販売店の割引きでドコモが実質0円となったにしても、ここから2万3112円引かれるだけで、2年間の支払額は16万8528円。それでも他より高い。

 さらに「一括0円」まで割引されれば、本体価格の7万1712円(9万3312円-2万1600円)が0円となり、2年間の支払額は11万9928円。これでやっと互角になると言えよう。

 この差を埋めるほど無料定額通話を大活用する人ならドコモでもいいかもしれないが、“実質価格”が0円になっていてもドコモが高い。これが現状だ。

金額面では格安SIMが優位
実質0円廃止で料金は適正化?

 支払額では格安SIMが割安というのはほぼ間違いない。大手キャリアが多少安くしたとしても、その点に変化はなさそうだ。

 それでもドコモやワイモバイルを選ぶ理由があるとすれば、料金以外の比較となり、通話、キャリアメール、サポートなどだ。それらが必要で、高い金額を出してもよいとするなら大手キャリアでもいいということになる。

Nexus 5Xの購入先(回線契約先)による差

実質0円廃止が実現したらどう変わる?

 また、今回の政府の動きでは、今回説明したようなお得とは思えない「実質0円」を規制しようという動きもある。

 実質0円がなくなった後にどのようになるかはわからないが、理想は格安SIMのように端末代金を正規に支払わせるようにして、端末代金相当分として割高に設定されている月々の支払額が適正化すること。

 スマートフォンが正しい価格で取引されれば、月額料金からの補填のないSIMフリースマートフォン市場も活性化し、スマートフォンを選ぶ楽しみが増える可能性がある。

 これは理想なので現実可能性はわからないが、もし、端末代金相当分を引いた額が新しい料金になるとしても、格安SIMの金額面での優位性は変わりそうもない。

 通話が少なく、格安にデータ通信を楽しみたい人は、しばらくは安心して格安SIMを選んで問題ないだろう。

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