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クラウド活用でハード保守やインフラ見直しを不要に

TIS、マツモト産業のSAP ERPをゼロトラブルでAWSに移行

2015年12月14日 13時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 TISは12月14日、マツモト産業のSAP ERPをAWSに移行支援したと発表した。移行はトラブルゼロで完了し、インフラのメンテナンスといったシステム運用負荷を大幅に軽減できたという。

 マツモト産業は溶接に特化した産業機器や金属材料を提供する企業。2010年に基幹システムをオフコンからSAP ERPに移行し、全社レベルでの業務改善を図り、2012年頃にサーバー保守終了に伴う次期インフラ環境の検討を始めていた。オンプレミス型とクラウド型の双方を検討し、2014年半ばから具体的な移行プロジェクトを開始。運用の手間を軽減できることからクラウドを選び、ERPでの利用実績や公開事例の多さからAWSを選んだ。

 これにより、これまでハードの保守切れに伴うサーバーメンテナンスや、5年サイクルで必要だったインフラ見直しが不要となり、情報システム部門の限られたリソースを有効活用できるようになった。また、AWSのバックアップデータの自動コピー機能により、複数個所へのバックアップを実現。以前のテープ方式よりもバックアップ業務も柔軟に行えるようになったという。

 本番移行は2015年8月に実施。TISはバックアップや監視の仕組みを備えたAWS基盤の構築に加え、複数ベンダーが携わるプロジェクト全体を統括するPMO(Project Management Officer)としての役割も担った。SAP ERP導入・移行の豊富な経験とノウハウに基づいた緻密なプランのもとで、ERP、帳票管理、EDIなど一連のシステム移行を“トラブルゼロ”で実現したとしている。

マツモト産業のAWSを活用した新環境イメージ

 マツモト産業は今後、クラウドファーストをIT計画の基本方針として、海外事業の展開やBCP対策の強化などにも、クラウドを活用していく考えだ。

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